月次決算の実施、決算申告の実施、確定申告の実施、
いずれの作業も実施後に自己チェックを行うことで精度が高まり、
会計的にも税務的にもより正確な帳簿作成が可能となります。
今回より3回(資産編、負債・資本編、損益計算編)にわけて、
会計事務所内で実際に行っているセルフチェックの手法をお伝えします。
第1回は~資産編~です。

【全体チェック】

資産とは貸借対照表における左側の項目(借方)で、
決算日現在、実際に保有している(権利を有する)勘定科目のことです。
自己チェックの際には、
「計上された項目と金額が実際にあること(実在性)」をみることがポイントです。

 

【個別チェック】

<現金>

会社に小口現金がありますか。
ある場合は、実際の現金残高と帳簿残高の一致を確認しましょう。
ない場合は、帳簿残高が「0」となっていることを確認しましょう。

<預金>

会社が保有している銀行口座が全て計上されていることを確認しましょう。
また、すべての預金残高(通帳残高)と帳簿残高の一致を確認しましょう。

<売掛金>

未入金分の売上が網羅的に計上されているか確認しましょう。
また、前期末残高の入金取り崩しが行われることにより、
今期末売掛金の実際残高と帳簿残高の一致を確認しましょう。

<前払金>

期末の前払金が網羅的に計上されていることを確認しましょう。
不動産賃貸については、通常、翌月分を前月末に前払いするため、
1ヶ月分の支払い家賃が計上されます。
また、前期末残高の支払取り崩しが行われることにより、
今期末前払金の実際残高と帳簿残高の一致を確認しましょう。

<仮払金>

社内で取引内容を確認し、あるべき勘定科目への変更を行いましょう。

<建物>

当期に購入した金額分の増加があることを確認しましょう。
また、今期の減価償却費が適切に計上されていることを確認しましょう。

<建物附属設備>

当期に購入した金額分の増加があることを確認しましょう。
また、今期の減価償却費が適切に計上されていることを確認しましょう。

<工具器具備品>

当期に購入した金額分の増加があることを確認しましょう。
また、今期の減価償却費が適切に計上されていることを確認しましょう。

<敷金>

期中に引っ越しを行った場合には、金額が変更されていること、
期中に引っ越しを行っていない場合には、金額の変更がないこと、を確認しましょう。

<保険積立金>

費用計上されない金額の増加があることを確認しましょう。

 

【まとめ】

自己チェックを続けることで簿記の知識がつくとともに、
経理担当者としてのスキルもアップします。
勘定科目や処理の不明点については、
会計士や税理士などの専門家に相談しても良いでしょう。

Takeoffer会計事務所では、
お客様の業務支援とともにスキルアップについても併せてサポートしています。
何かありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。