多くの会社では設立創業後第3期から消費税が発生してきます。
「今期は赤字なので期末に払う税金はないですよね!?」
という質問をたまに受けますが、
答えは「NO!!」です。
均等割(法人に発生する住民税の様な税金)と呼ばれる赤字でも発生する税金のほか、
消費税については、赤字でも多くの会社で発生する税金になります。

「決算申告時に消費税の納税資金がない」なんてことが無いよう、
期中から概算納税額を定期的に経営者自ら把握するようにしましょう。
算出方法は難しいものではないため、知っておくと便利です。

消費税の概算納税額の求め方

消費税の概算納税額は、

<営業利益+人件費(給与、役員報酬、社会保険料など)>×8%

で計算します。
ここで注意が必要なのは、
人件費(給与、役員報酬、社会保険料など)には消費税がかからないので、
利益額に加算して税額を算出する必要があることです。

例えば

売上:                           1,000万
仕入:                          ▲200万
粗利:                              800万
経費(人件費):  ▲300万(B)
経費(その他):  ▲200万
営利:                              300万(A)

の会社で考えると、
消費税納税額は、
(300万円(A)+300万円(B))×8%=48万円となります。

本則課税と簡易課税はどっちを選択すべき!?

消費税の納税額を算出する方法は本則課税と簡易課税の2つがあり、
基準期間の売上高が5,000万円以下の場合は選択が可能です。
両者の違いを先程のケースで見ていきましょう。

本則課税

売上:                     1,000万
仕入:                   ▲ 200万
粗利:                     800万
経費(人件費):▲300万(B)
経費(その他):▲200万
営利:                         300万(A)

の会社で考えると、
消費税納税額は、
(300万円(A)+300万円(B))×8%=48万円となります。

簡易課税

会社の営む業種により区分は異なりますが、
上記のケースをコンサルティング会社とすると、
簡易課税を選択していれば、
売上の50%の消費税を納税するのみで良くなります。
上記のケースだと
1,000万円×8%×50%=40万円となります。

結果として40万円>48万円となっており、
簡易課税を選択した方が良かったということになります。

しかし、
この結論はその期が終わった段階でしか解りません。
簡易課税の選択はその期が始まる前までに税務署への届出が必要なため、
納税額をみて決めることによる税金操作が出来ない様になっています。

基本的に経費に占める人件費の割合が多い場合には、
簡易課税を取った方が良いケースが多くなりますが、
実際の判定は個社毎に異なるため、
事業計画等を加味して検討する必要があります。

まとめ

第3期は中間納付額がないため上記算出結果がそのまま期末納付額となりますが、
第4期以降は上記の算出税額に期中納付済の中間納付額を控除する形になります。
いずれにしても、
消費税は赤字でも発生する可能税が大きな税金であるため、
「消費税が払えずに延滞税が発生してしまった。」とことならうぬよう注意して下さい。

「売上に付加された消費税はあくまでも会社が預かっているのみ」
という感覚を失わず、
期中から消費税の概算納税額をしっかり把握するとともに、
納税資金を確保するようにしましょう。

Takeoffer会計事務所では、
お客様の消費税概算納税額の算出も行っています。
ご質問がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。