大手飲食店やコンビニエンスストアを中心にフランチャイズ経営で店舗拡大を図っている会社が増えております。

フランチャイズ経営を行う場合、加盟店が本部へ定期的に支払うロイヤリティという仕組みがありますが、ロイヤリティはその種類によって加盟店へのインセンティブ面などの影響が異なります。

今回はロイヤリティの意義や種類について解説します。

 

ロイヤリティの意義

ロイヤリティはフランチャイズ加盟店が本部の商標・ロゴの使用、経営ノウハウに対して支払う使用料を意味します。

 

フランチャイズ制度を利用することで、本部は新規出店にあたり必要な費用の一部を加盟店に負担してもらい、店舗拡大を効率的に進めることができます。一方、フランチャイズ加盟店は一から店舗を開始するよりも、有名企業のブランドやノウハウを利用することにより集客面で大きなメリットがあります。また、仕入先の確保や従業員の教育、広告宣伝費等の面で、加盟店は本部の経営資源を利用して店舗運営を行いますため、その使用料として本部に収益の一部をロイヤリティとして還元する仕組み(フランチャイズ制度)が成立しています。

 

ブランドの知名度によっては、高額のロイヤリティであっても、ブランドの高い知名度により店舗側の売上自体が多額となり、店舗側にとってもそこまで負担とならないケースもあります。

 

次はロイヤリティの種類を解説していきます。

 

ロイヤリティの種類

ロイヤリティには大きく分けて売上歩合方式と定額方式2つの方式があります。

 

1.売上歩合方式

「売上歩合方式」は飲食店では一般的な方法となります。加盟店の売上高の増加に比例してロイヤリティの金額も増加するため、加盟店の売上が順調に推移している場合は本部側に有利な方式となります。また、飲食店の場合相場は3~8%といった具合です。

 

2.定額方式

「定額方式」は、加盟店が本部に毎月一定額のロイヤリティを支払う方式になります。

売上高が増加してもロイヤリティの金額が変動しないため、加盟店の売上が順調に推移している場合は加盟店側に有利な方式となります。

 

以下では売上歩合方式と定額方式の本部、加盟店双方にとってのメリット・デメリットについて表でまとめております。

 

本部 加盟店
メリット デメリット メリット デメリット
売上歩合方式 加盟店の経営努力の結果の収益増加部分が得られる 加盟店の売上管理やロイヤリティ算定の手間が発生 売上不振の場合にロイヤリティ負担も減少 売上を伸ばすとロイヤリティ負担が増加
定額方式 加盟店の収益状況に関わらず安定収入が得られる 加盟店の経営努力の結果の収益増加部分を得られない 売上を伸ばせば収入が加速度的に増加 売上不振の場合に経営が苦しくなる

 

ロイヤリティの事例

ロイヤリティの水準については飲食店の場合概ね売上高の3~5%程度、又は月額10万円程度のケースが一般的です。

以下では有名飲食店のロイヤリティの事例を表でまとめております。

 

ブランド名 方式 負担割合・負担額
鶏ジロー 定額方式 月額86,400円~108,000円
はなの舞 売上歩合方式 売上高の3%
串カツ田中 売上歩合方式 売上高の5%
ほっともっと 定額方式 月額80,000円
鳥鉄 売上歩合方式 売上高の5%

(引用元:各社HP)

 

まとめ

今回はロイヤリティの意義、種類、事例について、飲食店を例に解説しました。

 

ロイヤリティを設定する場合は、自社のブランド力や加盟店へのインセンティブ面での効果を踏まえて設定する必要があります。

また、ロイヤリティ以外の初期投資額の負担についても考慮が必要です。

 

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