IT技術の発展によって、会計ソフトは近年飛躍的に便利になってきています。

簿記や税金などの専門知識が無くても、自動仕訳作成機能で簡単に仕訳入力ができる。インターネットバンキングやクレジットカードとの連携で、簡単かつタイムリーに入出金情報の取り込みができる。かつては高かった経理処理のハードルもかなり低くなってきています。

今回はこのように便利になってきている会計ソフトを利用して自計化ができるのか?そのメリット・デメリットについて解説します。

自計化とは?

自計化とは、今まで会計事務所などに依頼していた記帳代行業務を自社で行うことです。
記帳代行業務には、請求書や領収書といった証憑書類の整理、会計帳簿の作成などの経理事務が含まれています。

具体的には、今まで通帳のコピーや売上の請求書、仕入や経費の領収書・レシートなどの証憑書類を毎月会計事務所に渡して会計ソフトに入力してもらっていた作業を自社で行います。自社の担当者が、書類を確認しながら会計ソフトへの入力作業を行い、入力し終わった書類の整理・保管も自社で行います。

自社で入力作業を行う、と聞くと大変に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、クラウド会計ソフトを導入すれば、インターネットバンキング、クレジットカードとの連携、請求ソフト・給与計算ソフト・経費精算ソフトなどを同シリーズで利用することで、データを自動で取り込み、仕訳も自動作成することが可能で、仕訳入力作業をほぼ自動化することができます。複数のデバイスから会計データにアクセスすることが可能ですし、入力作業も複数のデバイスで行うことができます。

自計化のメリット

費用削減

自計化することで、会計事務所に記帳代行報酬として支払っている費用が削減できます。
事業規模にもよりますが、毎月1~5万円程度が相場でしょうか。年間で十数万円~数十万円の節約になります。

証憑書類などの書類のやり取り、情報のやり取りが不要になる

会計事務所に記帳代行を依頼する際には、レシートや領収書などの証憑書類を取りまとめて渡す必要があります。また、イレギュラーな入出金の内容についてなど、取引内容についてその都度説明する必要が出てきます。自計化を行えば、外部とのこのような情報のやり取りが不要になります。

経営状況や業績をタイムリーに把握できる

自計化することで、自社の経営状況をリアルタイムで把握することが可能になります。会計事務所などに依頼する場合、入力作業が完了するまでにどうしても時間がかかってしまいますが、自計化すれば毎日連携データを取り込むだけで、すぐに最新の預金残高、利益の状況などを把握することができます。

資金繰りや経営方針の決定がしやすくなる

タイムリーな現状把握ができるようになった結果、それを踏まえた次の経営判断がスピーディーに行えるようになります。例えば、受注案件が多くなりそれに伴う外注費用も増えてきたので、毎月の預金残高の推移を確認して早めに銀行に運転資金の融資の相談に行こうとか、今期は予想以上に利益が出ているので先を見越して人材を確保し節税しよう、などです。銀行での融資相談も、前月までの試算表を見ながら行えれば、好印象かつ有意義な相談ができそうですね!!

自計化のデメリット

会計ソフトの費用が発生する

自社で会計ソフトを利用するための費用が発生します。クラウド会計の場合数千円程度ではありますが、毎月の固定費が増えることになります。

自社での経理作業負担が生じる

経営者自らが入力作業を行う場合は、費用は発生しませんが時間を確保することができるかが問題になります。経理事務を担当する従業員を雇用することも考えられますが、その場合には月20万円程度の人件費が追加で発生してしまいます。また、中小企業では経理事務だけで1人分の業務量は無いので、他の業務との兼任が上手くできるかがポイントになってくるかと思います。

専門知識が無い場合にはトレーニングが必要

先ほど会計ソフトの進化により仕訳の入力作業はほぼ自動化できると申し上げましたが、やはり導入時にはいろいろな設定が必要ですし、入力作業も慣れるまでは分からないことや処理を迷うことも多々あるかと思います。この部分はソフト会社や顧問税理士にサポートをお願いするなどして、ある程度は学んでいく必要があります。

まとめ

今回は便利になってきている会計ソフトを利用して、自計化するメリット・デメリットをご説明しました。

このように見ていくと自計化が望ましいのは次のようなケースかと思います。

・社長自らが経理処理を行っても良いので、記帳代行にかかるコストを削減したい
・事業規模が拡大してきて、ある程度人材に余裕があり自社で経理業務を引き受けられる
・今後事業をさらに拡大していくための経営資料が必要

あなたはどのタイプでしょうか?

Takeoffer会計事務所では、自計化に向けた会計ソフトの導入アドバイスなども行っております。もちろん、クラウド会計を利用した記帳代行サービスも行っております。御社の状況に合ったサービスをご提案させていただきます。

何かありましたらお気軽にご相談ください。