円安、34年ぶり水準 業績追い風も消費には影 一時151円97銭 米欧と金利差、個人が海外投資
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240328&ng=DGKKZO79593550Y4A320C2MM8000
  • 外国為替市場で27日、円相場が1ドル=151円97銭に下落した。1990年7月以来34年ぶりの円安水準だそうだ。
  • 日銀のマイナス金利政策修正後も、世界で突出して金利が低い状況は変わらないとの見方から売り圧力がとまらない状況。
  • 本来、マイナス金利政策を修正すれば円高に動くはずだが、
  ①日銀が「当面、緩和的な金融環境が継続する」と発言し、低金利が続くと市場に受け止められた
②企業は海外利益を現地で再投資し国内への還流(円買い)が弱い。1月の経常収支は4382億円の黒字だったが、
資金の流出入でみると「1.8兆円の赤字」。
③海外企業が提供するクラウドサービスなどへの支払いが増加(23年は年5兆円の赤字)
④そして、新NISAの影響。個人による海外株などへの投資の拡大で、1~2月には投資信託を経由して2.3兆円の海外
証券投資が生じた。
  • 円安の長期化が日本経済に与える影響は恩恵と負担の両面がある。大企業にとっては輸出や海外収益の円ベースでの利益が大きくなる一方、輸入物価高は中小企業や個人の負担となり、国内消費の低迷が続く要因になってしまう。
  • 円高方向への揺り戻しは「米国が利下げに転換する時」との予想が多いが、当面はなさそう。ただ、円安が止まらないようだと日銀の「追加利上げが早まる可能性もある」とのこと。追加利上げはローン金利上昇などの功罪もあり、一般庶民にとっては悩ましい。