超円安、投機筋が増幅 日米金利差で見ると「理論値」142円   「構造的円売り」拍車 デジタル赤字拡大/キャリー取引膨張
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240404&ng=DGKKZO79770930U4A400C2EA2000
  • ドル円が151円台で膠着している。152円台に突入すると日銀の介入があるという暗黙のコンセンサスがあるからのようだ。
  • 適正為替水準を測る方法は実はない。ただ、為替関係者はさまざまな指標を使って推測を試みているが、金利差や経済指標が「円の実力」を探る一つの有力な手法となっている。
  • この手法によると、142円や133円といった値が出てくるが、実勢の151円との差は大きい。円を巡る資金フローの変化と金利差を見越した投機筋の円売りドル買いが値動きを増幅させている。
  • 金利差については明確で、円金利はほぞゼロに対し、ドルは4〜5%。円を売ってドルを買うと多くの金利収入が得られるので、円安ドル高が進む。
  • 資金フローの変化は、一つは海外テック企業が提供するクラウドサービスなどへの支払いが増加しているという「デジタル赤字」の拡大。もう一つは、国内機関投資家の外債購入、少額投資非課税制度(NISA)の拡大を通じた個人の海外株人気も円売り圧力を高めている。
  • この金利差と資金フローの状況を見越した投機筋の動きが、理論値と言われている130円台〜140円台からの乖離を招いているということ。
  • 今年度後半には、米国の金利低下、日本の金利上昇という状況が具体的に出現されてくると思われるが、資金フローの円売りドル買いは恒常的な現象であり、これを相殺するレベルまで金利差が縮小するかどうかが一つの注目点ではある。それにしても投機筋の円売りが相当に積み上がっている。この巻き戻しがいずれくると、増幅感ある急激な円高を招く可能性もあるので要注意(投資は自己責任で)