止まらぬ円安、内需に影 ドル高主導し154円台 米利下げ後退/有事の買い/原油高
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240417&ng=DGKKZO80071390X10C24A4EA2000
  • 円相場が1ドル=154円台まで下落した。早い!
  • 先週半ばまでは152円が政府・日銀の防衛ラインと見られていたが、ここ数日で一気に155円をうかがう展開に。
  • 昨年12月末には140円程度であったが、たった4ヶ月で10パーセントも円安が進んだ。1990年6月以来約30年ぶりの円安・ドル高水準。
  • もっとも円に対してだけでなく、ドルは全世界通過にたして値上がりをしている。
  • 原因は3点。(1)米利下げタイミングのずれこみ (2)中東の不安定感解消が見えない中での有事のドル買い (3)(2)による原油高
  • ここまで円安が進むと、政府・日銀が円買い介入に踏み切るかどうかがますますクローズアップされる。財務省は「毎日のように米国を含む主要国の財務官、中央銀行幹部と連絡を取り合っている」ようで、国際協調をにおわせる発言で過度な円安をけん制したが、、、。
  • ただ、今回は「円安」ではなく世界的な「ドル高」、円起因ではなくドル起因の変動であることから、政府・日銀だけが介入をしても効果は薄いと思われている。
  • 日本と米国の金利差から(低金利の通貨を借りて高金利通貨で運用して金利差収益を稼ぐ)円キャリー取引が経済合理性にかなっており、投機筋もドル買い持ち高を一気に縮小するとは考えにくく、当面ドル高(円安)は継続するかもしれない。
  • 止まらない円安が輸入コスト増と値上げにつながり、国内消費の回復が遅れかねないとの見方も浮上する中、日経平均株価は16日、今年3番目の下げ幅を記録した。