円の警告・国富を考える 超円安 私の見方〉経済の活力、構造改革必須 米ハーバード大教授 ケネス・ロゴフ氏
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240612&ng=DGKKZO81323890R10C24A6EP0000
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- 今朝は、円安が止まらない状況で円の警告をどう受け止め、対応すればよいのかについての米国大学教授のコメントをピックアップ。以下論点を箇条書き。
- 日本はまだ構造改革が必要。最も重要なのは、国外からより多くの労働者を受け入れる方法を見つけること。日本は欧州と比べても高齢化が進んでいる。労働者の流入増なくしてダイナミックな経済を維持するのは難しい。
- 日銀は(通貨安対応の利上げではなく)物価を安定させるために金利を徐々に上げることに集中すべき。為替に極端な変動があった場合、政府が短期的に介入に動くことは理にかなっている。ただそれが永遠に機能するわけではない。
- 世界の実質金利が上昇し、日本にも影響を及ぼす重要な転換点に差し掛かっている。インフレが問題になり、いずれ世界の金利水準に並ぶ必要が出てくる。
- 「(日本は)今後2年ほどで政策金利を1~2%まで引き上げる必要がある。日本の経済社会はゼロ金利環境に慣れきっているため、(利上げは)非常に困難で神経質な作業。特に「政府債務は(銀行の国債保有などの形で)日本の金融システムの隅々に行き渡っており、日銀が利上げを迫られればシステム全体に巨額の損失が生じる。物価の安定と金融の安定の両立は大変な難題といえる。
- ドルは過大評価されており、さらに上がるよりも下がる可能性のほうが高い。今後1~2年で大幅な下落が見込まれる。
- 日本は、インフレ対策で利上げは必要だが、巨額の国債発行残高に対する利払い増加にどう対応するのかがポイントで、大幅な利上げは現実的ではない。米ドルは過大評価されており近々大幅なドル高修正が起こる。
- 皆さんはどう読みますか?