選挙の抜け穴(上)「表現の自由」許容どこまで 都知事選ポスター「占拠」多発 ビジネス利用に批判
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240709&ng=DGKKZO81954760Y4A700C2PD0000
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240709&ng=DGKKZO81954760Y4A700C2PD0000
- 似たデザインの多数のポスターが掲示板を「占拠」する事例が多発するという異例の事態が東京都知事選で現れたことは記憶に新しい。
- 「表現の自由への規制はやめろ」というメッセージとともにほぼ全裸の女性のポスターが張り出されたり、「NHKから国民を守る党」によるポスター枠の事実上の販売も行われた。
- ポスターは候補者の当選を目的とするのが一般的な前提だが、NHK党は「公選法に候補者は当選を目指さなければならないと書いていない」と主張、法の「抜け穴」をかいくぐった行為という。
- 選挙は、憲法が保障する言論・表現の自由のもと政党や候補が主張を戦わす最たる場で、ポスターへの表現規制は困難とされる。1976年に最高裁は選挙管理委員会がポスターの内容の削除や修正を候補に求めることは認められないとの判決を出している。
- ポスター以外にも街頭演説の妨害や、選挙を絡めてyoutubeなどでフォロワーを稼ぐビジネスも顕在化した。
- 代わり映えのない選挙の光景が長期的な有権者の選挙離れや閉塞感につながっているのではないか。一連の騒動や事件はポスターや街頭演説といった変わらない「日本モデル」への一石にも映る。