「会計士レビュー」4~6月決算で開示2割 四半期報告書廃止で任意 大企業ほど積極的
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83243550U4A900C2DTA000/?type=my#AAAUAgAAMA
【コメント】
  • 日本全体で財務会計人財の採用が難しくなっている中で、欧米に比べ負担が多く競争力の足枷になっていた事項が緩和され一歩前進との思い。
  • ただこれにより開示の正確性を緩めて良いということにはならない。
  • 四半期間末での監査人のレビューはなくても、監査契約は年間で結んでおり、普段から監査人との密なコミュニケーションを保ち、「初めて、久しぶり」なビジネスに対応する会計処理を合意しておくべき。
【記事概要】
  • 四半期報告書が廃止になり公認会計士によるレビューが原則任意となった2024年4~6月期決算で、自主的にレビュー報告書を開示したのは全体の2割強にあたる約600社。
  • 決算数値に対する信頼を高めるため、株主や債権者など利害関係者が多い規模の大きな企業でレビューを受けるケースが目立った。時価総額3兆円以上(3月末時点)の企業では37%の企業がレビューありだった。「時価総額の大きい企業のほうが比較的、内部体制や資金面に余裕があるため」との分析。
  • 東証は速報性と正確性を両立させるため、会計士によるレビューを待たずに決算短信をいったん開示し、レビュー完了後の後日に報告書を開示する方法も認めた。「2段階」で開示した企業、任意のレビュー報告書提出企業の1割にあたる。
  • 開示日数の短縮にもつながった。レビュー報告書の開示に要した日数を調べたところ、新制度の24年4~6月期の中央値は39日で、旧制度と比べて2日短くなった
  • 新制度は順調に滑り出したように見えるものの、開示の質への懸念はくすぶる。開示後に決算短信を訂正する企業もあった。
  • 内部管理体制が脆弱な中堅・中小企業でレビュー報告書の添付は少ない。あずさの調査ではレビューありの企業はスタンダード上場で21%、グロースで18%にとどまる。「体制の整っていない会社では会計処理の間違いが起きやすい。7~9月期以降の決算で訂正が増える可能性がある」との懸念。
  • 企業は管理体制強化や開示情報の質向上などの努力がより一層求められる。