米国株・金、円安で4割高 円建て資産の価値押し上げ、国内投資家に追い風
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20241113&ng=DGKKZO84744790S4A111C2ENG000
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【コメント】
- ドル円は現在154円台。一旦140円の高値圏まで行ったあと再度ドル高円安傾向となっている。また160円を超える円安を予想するアナリストもいる。
- ドル買い円売りで円安の一要因になっている新NISAでの海外投資を行なっている国内投資家は、この円安でリターンが高まっている。米国の株高値更新と円安が相乗効果となって円建てのリターンは絶好調。海外株式に比べ投資家層は少ないが、ビットコインや金も円換算で見ると高リターン。
- 円安は、海外投資のリターンを押し上げる効果や日本の輸出企業の業績を改善させ当該企業の株価を押し上げるという観点ではプラス。一方輸入物価が上昇し我々の日々の暮らしには悪影響をもたらす。
- 円高で円の価値が上がることにより輸入物価が下がり暮らし安くなると同時に、そのような円高の状況でも輸出企業が「国際的に競争力ある製品」を次々と生み出し輸出数を増加させること。これが日本人にとって最も望ましい状況であると思う。
【記事概要】
- 外国為替相場が円安に傾き、円でみた海外資産の価値を押し上げている。
- 円で生活する日本の個人投資家には円ベースの運用成績が重要だ。海外資産への円建ての投資リターンは、現地通貨ベースの資産の騰落率に対円の通貨の騰落率を加えたものになる。
- 三菱UFJアセットマネジメントが運用するオルカンの基準価格は12日、2万7255円となった。8月には円の急騰と海外株の下落が二重苦となり、2万2688円まで下落していたが、10月以降、世界株高と円安に転じ7月11日に付けた2万7282円の最高値に迫った。
- 日本の個人が投信経由で多く投資する米S&P500種株価指数を円建てでみると、一足先に6日に7月の高値を更新した。円建ての年初来の上昇率は37%と、指数そのものの上昇率26%を上回る。
- 今年の円建ての上昇率を資産別に比較すると、暗号資産(仮想通貨)のビットコインが最も高い。調査会社コインマーケットキャップによれば、円建ての1BTC(ビットコインの単位)は23年末比2.3倍となった。
- 金も歴史的高値が続き、円建て価格が大幅に上昇している。国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、円建ての金現物価格は11日時点で1トロイオンス40万3679円と23年末から38%上昇した。
- 海外に投資する際に為替とどう向き合うか。金融助言会社びとうファイナンシャルサービスの尾藤峰男代表は「株式は期待リターンが高く、円高になった場合でも株価の上昇で相殺しやすいため、海外に投資する資産として特に適している」と債券などと比較して株式が有利と指摘する。
- 8月には株安と円高の二重苦となり、尻込みした投資家も多い。ファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵氏は、外貨建て資産への一括投資は、円高の際に損失が大きくなりやすいとして「積み立て投資などの時間分散によって、為替で資産価値が変動するリスクをなるべく抑えた方がいい」と指摘する。
- 資産運用を助言するガイアの中桐啓貴社長は「若年層の長期投資にはあまり必要ないが、高齢者がリスクを取りたくない場合は為替ヘッジも良い選択肢だ」と話す。