「スマイル」も安いニッポン  時給=ビッグマック2.2個 米欧に賃上げ見劣り
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250202&ng=DGKKZO86470610S5A200C2MM8000
【コメント】
  • 物価上昇と賃上げを比較した記事が、朝刊一面のトップ記事です。社会的に影響が大きいからでしょう。
  • お馴染みのマクドナルドのビックマック比較ですが、日本は1時間働いても先進各国と比較すると購入できるビックマックは少ないようです。
  • また更に興味深い内容は、日本の時給は韓国、シンガポール、香港よりも低いというところです。
  • 大手企業を中心にここ2年間ほど賃上げが進んできましたが、これからは大手企業の賃上げペースも落とさず中小企業の賃上げを加速しないと日本は没落国になり、将来が見通せない国民の集まりになると感じます。
  • 日本全体で賃上げペースを加速する、蓋然性ある手段は「生産性の改善」です。過去のやり方に拘らず国民全体で生産性の向上を実現し先進国集団にとどまりましょう!
【記事概要】
  • 国際的な物価指標として知られる外食大手マクドナルドのビッグマックをもとにした分析で、日本の賃金水準の低さが浮き彫りになった。店舗で1時間働いて買えるのは2.2個と、2.5個以上の米国や英国に見劣りする。値上げほど賃上げが進まず、5年前に比べても0.2個減った。「スマイル」の安さには経済全体で労働者の取り分が少ない構造的な問題も浮かぶ。
  • 2024年7月時点のビッグマック価格をみると、日本は3.2ドル(480円)だった。5ドル台の英米より5割近く安い。実は値段だけみても割安かどうかは分からない。時給の中央値1047円で買えるのは2.2個のみ。オーストラリアなら3.9個、スイスなら3.4個。英国は2.6個、米国は2.5個だ。ドイツやフランスを含むユーロ圏5カ国平均も2.5個だった。
  • 日本は過去5年間で0.2個減った。下げ幅は比較可能な11カ国・地域でフランスに次いで大きい。この間、時給は940円から11%の伸びにとどまったのに対し、ビッグマックは390円から23%値上がりした。バブル崩壊後、物価も賃金も停滞してきた日本。コロナ禍やウクライナ危機といったショックが引き金となり、モノやサービスの値段が上がり始めた。賃金の伸びは追いついていないのが現実だ。
  • マクロのデータは賃上げの余地があることを示唆する。日本は国内総生産(GDP)に占める働き手の取り分を示す労働分配率が24年に54%と19年から2ポイント低下した。米欧は50%台後半だ。
  • ビッグマックの購買力でみた賃金水準は日本の立ち位置を明白に示す。政府や日銀がめざす「賃金と物価の好循環」はなお遠い。