「関税不況」警戒、マネー収縮 トランプ氏「短期の痛み」 日米株下落 テック7社時価総額、減り幅最大
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250312&ng=DGKKZO87278840S5A310C2MM8000
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【コメント】
- ここ数日日米ともに株価が下がり続けています。
- 発端はトランプ関税で、関税が引き上げられると米国内の消費減速が想起され企業業績に大きな影響を与えるとの思惑です。
- 日本経済は米国経済の動向に影響されることが多いため、日本の株価は米国の株価に連動されがちです。
- 米S &P500などは買われ過ぎていた面もあるので、関税戦争によるリスクを口実に調整局面に入っていると思われます。
- 日本株にとっては最近の円高傾向が気になるところですが、現在投機筋は過去最大の2倍の円買ポジションを保有しています。ドルに対し相対的に低金利の円の買い持ちが極端に膨らんでおり、日銀が利上げピッチを上げない限り、早晩投機筋は低金利に耐えられず円を売ってこざるを得ない(円安)との推測があります。円安になれば日本株にはプラスですが、一方トランプ氏は「日本が円安是正をしなければ日本からの輸入品の関税を引き上げる」と発言しています。投機筋が円を売れば関税が引き上げられ、日本の消費が低迷し再度日本株安となる可能性もあります(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 株式市場でマネーの急収縮が起きた。米国株のけん引役だった巨大ハイテク企業7社の合計時価総額は10日に100兆円超吹き飛び、1日の減少幅としては過去最大となった。日経平均株価も11日に一時1000円安を記録した。関税政策や財政支出抑制による「痛み」を短期的と主張する米政権に対し、投資家は「トランプ不況」リスクを意識し始めている。
- 米主要500社のうち、4割の企業は直近1年間の高値からの下落率が2割を超えた。株価低迷が長引く弱気相場入りのサインとされる。リスク回避は11日のアジア市場にも広がり、韓国株や台湾株は前日比1%超下げた。日経平均は同235円(1%)安で終えた。
- 投資家は株式から資金を一部引き揚げ、米国債など安全資産に振り向けている。背景にはトランプ米政権の政策 運営に対する不信感がある。
- トランプ大統領は関税政策や、政府職員リストラなど歳出削減について、経済を強くするまでの「過渡期にある」と主張。ベッセント米財務長官は前政権の財政拡大を批判し、民間主導の経済に移行する「デトックス(解毒)期間」と話す。
- 米調査会社フォワードボンズのクリス・ラプキー氏は政権側の主張について「株式市場は信じていない」と話す。むしろ企業が投資を控えたり、家計が消費を抑えたりする展開を警戒する。米デルタ航空は国内需要減で25年1~3月期の業績見通しを引き下げた。
- 米S&P500種株価指数の予想PER(株価収益率)は2月の最高値更新時に22倍を超えていた。直近20年間の平均(16倍)を上回り「買われすぎ」サインが出ていた。人工知能(AI)ブームでハイテク株に資金が流入していた。
- マネー収縮は不況リスク浮上を契機とした過度な楽観の修正という面もある。ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのチャーリー・マケリゴット氏は株安について、安易に株式を買い増していた投資家が「持ち高の清算を迫られている」と指摘していた。