【コメント】
  • 改めての情報を記載した記事とコメントが朝刊にありましたので紹介します。
  • 国民の所得から税金や社会保険料がどれだけ支払われているかを示す「国民負担率」が日本人は約46%、すなわち日本人は足元で年収の約半分しか使えないということです。もちろん負担した金額でさまざまな行政サービスを受けたり将来受け取る年金の原資になってはいます。
  • またエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)も約28%で主要7カ国で最悪です。食費の負担が大変重いということを表しています。
  • 高い賃上げ率が喧伝されていますが、物価上昇率が高く実質賃金はマイナスです。
  • この状況を何とか打開できないかという思いが募り、若い世代は「手取りを増やす」というわかりやすい政策を掲げる国民民主党に人気が集まっています。
  • 日銀は消費者物価指数(生鮮食品を除く)を金融政策の指標としていますが、生鮮食品が大きく値上がりしているので的外れな政策となっている可能性もあります。ただし、日銀がこの状況下で大幅な利上げを行えば感情的にますますお金を使わなくなり、日本経済が停滞してしまう恐れがあります。
  • 大企業の剰余金を原資に日本人全体の所得水準を上げること、また国会議員数の削減など公的コストの効率化に努め国民負担率を低下させることが必須と思われます。
  • 岸田前首相も商品券を配っていたという事実が報道されていますが、国民が苦しんでいる状況下で、金権体質の自民党に政権運営をさせておくことが本当に正しいのかよく考える必要があると感じます。
【記事概要】
  • 財務省によると、国民の所得から税金や社会保険料がどれだけ支払われているかを示す「国民負担率」は、2025年度は前年度比0.4ポイント高い46.2%となる見通しだという。総務省の家計調査によると、24年の消費支出に占める食費の割合を表す「エンゲル係数」は28.3%と1981年以来43年ぶりの高水準となった。主要7カ国(G7)において最悪で、国民は食生活に困窮している。
  • こうした生活環境の中で、国民民主党が掲げた「手取りを増やす」政策は、特に現役世代の共感を得た。例えば2月下旬実施の「産経・FNN合同世論調査」で、政党支持率は18~29歳で国民民主党が18.9%と1位になり自民党の11.8%を上回った。30代でも国民民主党は15.9%と、れいわ新選組の14.4%、自民党の11.2%を上回った。一方、50代と60代で国民民主党は8%台と大幅に低くなり、世代間の意識格差が見て取れる。日本の財政状況は世界でも最悪レベルで、ポピュリズムよろしく際限ない歳出を続ければ、長期金利が急上昇する事態や国債の格下げリスクに直面するのは自明の理だ。南海トラフ地震や首都直下型地震の可能性にも備える必要がある。国民民主党の支持率が高齢になるほど減少する要素がここにある。
  • 手取り増加の王道である賃上げについては、厚生労働省の24年の賃金調査で、1人当たりの平均賃金の引き上げ率が前年比0.9ポイント高い4.1%となった。一方、25年1月の実質賃金は前年同月比1.8%減だ。コメやキャベツなどの食品価格高騰などにより消費者物価指数(総合)の上昇率が4.0%と名目賃金の上昇分を上回ったためだ。今年の春季労使交渉(春闘)では企業の「満額回答」が続いているが、この傾向が中小零細企業の従業員、非正規労働者や就職氷河期世代に浸透するかが課題である。
  • 国民が生活苦に直面している主因は、日銀がターゲットとする消費者物価指数(生鮮食品を除く)の外にある生鮮食品価格のほか、コメ価格や電気代、ガソリン代の高騰だ。総合的な物価高対策が急務である。国会は国民の「インフレ実感」に焦点を当てた議論をする場であり、国民はそれを注視している。