自公、くすぶる消費減税論 参院選にらみ首相に迷い 社会保障の財源、反対論根強く
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250412&ng=DGKKZO87993830R10C25A4EA3000
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【コメント】
- 今朝の朝刊もトランプ関税関連の記事が大多数を占めていて、少し辟易とします。
- 現在国会が開かれていますが、今回の焦点は「経済対策」です。特に一般国民が物価高で苦しんでいる状況をどう改善するかがポイントです。
- コロナの時のような給付金支給という案もありますが、参議院選挙を睨んだバラマキ行政との批判もありますし、何より現状を踏まえた本質的な施策ではないとの声も大きくあります。
- いま円高や金融正常化(?)で物価が上昇傾向のところにトランプ関税が追い打ちをかけ国内の景況感が悪化してきています。この影響は短期に止まらないとの予想も多く、一時的な対策ではなく長期間に効果を発揮するものが求められるということで、消費税減税が持ち上がっています。
- 今後トランプ政権との関税交渉がどのように決着するかは不透明ですが、現状よりも日本経済にとってマイナスになることは予想されます。
- 国会議員のお祭りである選挙があと数ヶ月に迫っています。さて、どの党が短期長期両面を睨んだ国民に納得される政策を提示するのでしょうか?選挙目当てが透けて見える政策には国民の強い批判が待っています。
【記事概要】
- 夏の参院選をにらみ、与党で消費税率の引き下げ論がくすぶっている。物価高対策として食料品を対象として減税する意見が出る。社会保障に使う財源の消費税率の下げに反対論も根強く、石破茂首相は迷いをみせる。
- 公明党の斉藤鉄夫代表は11日の記者会見で、経済対策の柱に減税を据えるべきだと主張した。食料品を対象とする消費税の減税に関し「あらゆる手段のひとつとして検討している」と語った。減税が実現するまでの「つなぎ措置」として現金給付も提唱した。公明党内で消費税の軽減税率を下げれば食料品に対象を絞って家計の負担を軽くできるとの見方がある。一般的に消費税率は10%だが、主に食料品には8%の軽減税率を適用しているためだ。
- 経済対策には一律現金給付など大規模な内容を求める声が目立つ。日本維新の会や国民民主党なども消費税減税を含めた家計の負担軽減策を求めている。財源を裏づける補正予算案の編成が必要になる可能性がある。
- 自民党も選挙を控える参院で消費税の減税論がある。松山政司参院幹事長は8日の記者会見で食料品を対象とした減税を念頭に「あらゆる選択肢を排除せず議論することが重要だ」と述べた。
- 赤池誠章氏も7日の参院決算委員会で「減税を真剣に検討してほしい」と首相に迫った。太田房江氏は消費税を含む「減税パッケージ」の策定を求めた。松山、赤池、太田の3氏はいずれも今夏に改選を迎える。
- 自公と旧民主党は2012年に税と社会保障の一体改革で消費税率を5%から10%に上げると決めた。増税分の税収は年金や医療、介護、子育てなどの財源に使っている。税率を下げた場合、代替財源を捻出できないと赤字国債の増発につながりかねない。
- このため自民党執行部は消費税の減税への慎重論が根強い。森山裕幹事長は11日、記者団に「消費税と社会保障は一体改革をやってきた」と強調した。「財源をどこに求めるのか、あるいは社会保障のどこを国民に我慢をしてもらうのか対でなければ国民に迷惑をかけてしまう」と唱えた。自民党の鈴木俊一総務会長は「一度下げると元に戻すということも相当な政治的エネルギーがないとできない」とも指摘する。税率を元に戻す場合に増税と受け止められるとの見立てだ。
- 首相の発言にぶれも生じている。3月28日の参院予算委員会で食料品に限った消費税の減税に含みを持たせた。「諸外国でもいくつかの例はある。一概に否定する気はないが、検証をさせていただきたい」と話した。4月1日の記者会見で一転して可能性を否定した。社会保障を支える重要な財源で「税率の引き下げは適当ではない」と答えた。