マネー膨張、減益下の株高 日経平均4万2718円 最高値更新、米関税の影響楽観
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250813&ng=DGKKZO90627420T10C25A8MM8000
日本株、上昇急ピッチ 8月末予想超え 指標も過熱感示す
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250813&ng=DGKKZO90622830S5A810C2DTD000
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日本株、上昇急ピッチ 8月末予想超え 指標も過熱感示す
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250813&ng=DGKKZO90622830S5A810C2DTD000
【コメント】
- 昨日は日経平均株価が1年1カ月ぶりに最高値を更新しました。日本企業は2026年3月期、6年ぶりに減益になる見通しを出している最中の出来事です。
- トランプ関税の影響が、ここ数ヶ月間に、予想されたものから緩やかになるとの見方が強まったため、それが株高の一要因になっているようです。
- しかし、そもそも緩やかになったとはいえ、過去の業績に比較すると、業種にもよりますが比較的大きなマイナス影響はあります。
- 株価を表す指標(PER、騰落レシオ、25日移動平均線乖離)も「買われすぎ」のサインが出ているようですが、昨年8月の大暴落が脳裏をかすめます、(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 日経平均株価が1年1カ月ぶりに最高値を更新した。米国との関税交渉が進展し、企業業績への影響が見通しやすくなったとして、投資家は再びリスク資産を購入している。金融緩和などで世界的に膨らんだマネーが株高を支えている。
- 日本企業は2026年3月期、6年ぶりに減益になる見通しだ。将来の業績回復まで見込んだ前のめりの株買いは、米景気の変調などで逆回転するリスクをはらむ。
- 日本の上場企業は今期6年ぶりに最終減益となる公算が大きい半面、自社株買いなどの効果で1株あたり利益(EPS)は横ばい予想だ。
- 相場に過熱感も出てきた。主要な投資尺度である予想PER(株価収益率、12カ月先予想)は東証株価指数(TOPIX)ベースで15倍台と、過去15年平均(13.8倍)を上回る。
- 日経平均は24年7月に最高値を付けたあと、米消費者物価指数(CPI)が市場予想から下振れしたことをきっかけに急落した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平・上席投資戦略研究員は「統計や中央銀行イベントへの解釈次第で相場が調整する可能性はある」と指摘する。
- 日経平均株価が市場関係者の想定を上回るスピードで上昇している。12日に更新した史上最高値は、QUICKが同日まとめた市場の8月末予想(4万0337円、平均値)を6%上回る。騰落レシオや移動平均線との乖離(かいり)率といった指標は短期的な過熱感を示している。
- QUICKがこのほど発表した8月の株式月次調査は5~7日に実施し114人から回答を得た。12日につけた日経平均の史上最高値(4万2718円)は、市場関係者の8月末時点予想の平均値に加え、予想の最大値(4万2500円)を超えた水準にある。
- 同調査によると3カ月後の日経平均の予想は平均で4万0329円、半年後も4万1118円にとどまった。足元の上昇スピードは市場関係者の想定を大きく上回る。
- 指標面では短期的な過熱感が見られる。東証プライム市場の上昇銘柄数を下落銘柄数で割った騰落レシオ(直近25営業日の平均)は149.46%と23年5月に付けた148.86%を上回り、22年4月のプライム市場発足以降で最高となった。
- 騰落レシオは120~140%で「買われすぎ」を示す。みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは「150%に迫るのは異常値ともいえる。循環的な物色が相場の隅々まで行き渡り、手詰まり感が強まっている」と話す。
- 日経平均が25日移動平均線から上に乖離する割合も5.5%と、買われ過ぎの目安となる5%を超え1カ月半ぶりの高水準となった。楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは「日経平均は春先以降、25日移動平均線を5%上回るといったん反落するパターンが続いている」と指摘する。先週以降5営業日で2400円超と急ピッチでの上昇が続くなか、目先は高値警戒感が広がりそうだ。