日経平均最高値更新 政局買いの次は「業績」 関税影響「一時的」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250911&ng=DGKKZO91253900R10C25A9MM8000
【コメント】
  • 毎日日本株の話題です。昨日は、終値で日経平均は過去最高を記録したようです。
  • 市場のムードは強気ですが、昨日もあったようにPERは18倍と高い状況です。しかし2026年度の業績を見通すとPERは標準的レベル(15倍)と理解することもでき、現状の最高値を理屈づけることができるとのことです。
  • 日本株は米国株など世界各国の株価に対して出遅れているとの評価があることも、ここにきての急騰につながっているようです。
  • 9月は例年株価下落が確認されています。現時点で9月の1/3が経過していますが、後半にかけて機関投資家の売りが膨らむと顕著な株価の下落となる可能性もあり要注目です。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
  • 日経平均株価が10日、約3週間ぶりに最高値を更新した。石破茂首相の退陣表明後の急騰で反落を警戒する声が出るものの買いは衰えない。米トランプ関税の影響による企業業績の落ち込みは一時的にとどまるとの見方が株高を支えている。
  • 10日の日経平均終値は4万3837円。前日に比べ378円(1%)上昇した。最高値の更新は8月18日以来。石破首相退陣後の新政権が大規模な経済政策を打ち出すとの期待が市場で膨らむ。
  • 株価の割安・割高を判断する投資尺度(バリュエーション)に、PER(株価収益率)がある。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍かを示し、企業業績の成長への期待の大きさを示す。
  • 日経平均の予想PERは18倍に迫る。新型コロナウイルスの影響で業績が大幅に悪化した2021年以来の高水準だ。過去10年の平均(15倍)も2割上回る。短期的な過熱を示すシグナルがともったようにも見える。
  • 目先の期待感に加え、株高が続く理由は2つある。1つめは、トランプ関税の景気や業績に対する押し下げの影響が限られそうだという見立てだ。国際通貨基金(IMF)は7月、25年の世界経済の成長率見通しを3.0%と、4月時点から0.2ポイント上方修正した。春先に高まった「関税不況」の懸念は遠のいた。
  • 日本の上場企業も26年3月期は6年ぶりの最終減益を見込む。だが日米関税交渉が合意し、投資家は事業環境を見通しやすくなった。「来期の業績回復の織り込みが進んでいる」(大和証券の阿部健児チーフストラテジスト)。証券アナリストの予想では、日経平均採用銘柄の26年度の合計純利益は25年度に比べ12%伸びる。これを前提に計算するとPERは15倍程度まで低下する。
  • 10日に上場来高値を更新したソニーグループは、26年3月期の連結純利益を継続事業ベースで前期比9%減と見込む。ただ市場は稼ぎ頭のゲーム事業の成長期待を織り込み、27年3月期に増益に転じる道筋を描く。
  • 2つめは、世界株の中でみた出遅れが解消されるとの見通しだ。多くの機関投資家が運用指標とする米S&P500種株価指数の予想PER(12カ月先ベース)は22.4倍。東証株価指数(TOPIX、15.4倍)との差は6.9倍と過去10年の平均(4.9倍)を大きく上回る。
  • 成長力の低さが投資家を遠ざけていた。企業は手元の現金をいかし、株主還元などで資本効率の引き上げを急ぐ。QUICK・ファクトセットによればTOPIX採用銘柄の総資産に占める現金の割合は12.1%。S&P500(8.7%)を上回り、効率化の余地はまだある。
  • 8月に発行済み株式数の4.17%にあたる800億円を上限とする自社株買いを公表したINPEXの株価は、好業績もあり発表の翌営業日から17%上昇した。日経平均(5%高)を上回る。
  • 金融市場では、米連邦準備理事会(FRB)が25年内に0.25%換算で3回利下げするとの見方が増えている。関税影響による物価高で利下げが遅れると景気減速の懸念が再燃し、株価急落のリスクをはらむ。