日経平均最高値4万4000円超え AI相場、広がるけん引役 米オラクルの買い波及https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250912&ng=DGKKZO91279880R10C25A9EA1000 米株価予想、相場を後追い 金融各社、目標相次ぎ引き上げ 1株利益の拡大期待https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250912&ng=DGKKZO91274880R10C25A9ENG000 海外勢、日本株買い越し 3週ぶり、米利下げ期待高まるhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250912&ng=DGKKZO91274540R10C25A9DTC000
【コメント】
- 連日の掲載ですみませんが、やはり日米ともに株価が連日上昇していることは現時点での最大の経済トピックスですのでご容赦を。
- AI関連企業を中心に日米ともに株価が上昇しています。
- 米国金融機関は米国企業のEPS(一株利益)予想を相次いで上方修正しているようです。これはどちらかといえば、今まで予想が保守的で実際の株価がそれを上回るペースで改善していることによります。
- 加えてPER(株価が1株あたり純利益(EPS)の何倍かを示すか)も強気に変化しており、20倍から22倍へ修正している金融機関も出始めているようです。これは米国利下げ予想も寄与しているようです。(金利が下がれば相対的に株の魅力が増す)
- この米国株堅調が日本株にも波及しています。9月第一週は、外人投資家の日本株への投資が膨らんでいることも日本株の連日の上昇要因となっています。
- 日本株のPBRはリーマンショック後の最高水準まできており、PERも18倍に近い水準で、ともに割高感が意識されています。
- ただまだ日本株の上昇要因があるとの見解もあるようです。理由は三つ。①AI需要に連動した半導体企業への期待 ②日経平均採用銘柄の2026年度増益期待(含む自動車や鉄鋼) ③日本のインフレ率上昇による名目GDPの拡大 だそうです。
- 昨日の堅調な米国株を受け、今日の日本株の上昇が期待できるかもしれません。一方で突然の調整局面が到来するかもしれません。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 世界の株式市場で生成AI(人工知能)相場が再び勢いづいている。11日は米ハイテク株高を背景に、日経平均株価は連日で最高値をつけた。エヌビディアなど米巨大テック企業に加え、米オラクルやソフトバンクグループ(SBG)などけん引役が広がった。
- 日経平均終値は前日比534円(1%)高の4万4372円と、初めて4万4000円台に乗せた。10%上げて上場来高値を付けたSBG株による日経平均への寄与は、上げ幅全体の6割(329円)に達した。
- SBGを含めた11日の日経平均押し上げ寄与上位5社は、全てAI市場の拡大に伴う業績成長が期待される銘柄だ。寄与度2位のアドバンテストもAI需要を背景に半導体製造に求められる技術が変わり、業績拡大への期待が高まった。三菱UFJアセットマネジメントの友利啓明エグゼクティブファンドマネジャーは「ハイテク株を持たないと指数に負けてしまう懸念が運用者に広がっている」と指摘する。
- 大幅高のきっかけは、AI相場の新顔として米オラクルが急浮上したことだ。SBGは米国のAIインフラに5000億ドル(約73兆円)を投資する「スターゲート」計画で、オラクルと協力関係にある。米オープンAIなども参加している。
- 10日の米国株市場でオラクル株は一時43%まで急騰。時価総額は9222億ドルに急増し、米銀大手JPモルガン・チェースを抜いて米国株の時価総額トップ10に食い込んだ。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も1年2カ月ぶりに最高値を更新した。
- オラクルは企業向けのデータ管理ソフトウエアが主力だが、近年はAI向けのクラウドインフラ事業を拡大してきた。クラウドではテック大手に比べ後発でありながら低価格などを武器に巨額契約を獲得し、市場の評価が高まった。
- オラクルが9日夕に発表した2025年6~8月期決算では、契約済みの将来の売上高「RPO(受注残)」が5月末の3.3倍となる4550億ドル。日本の国家予算の6割程度に当たる。サフラ・キャッツ最高経営責任者(CEO)は、複数の数十億ドル規模の契約が続いて今後数カ月でRPOは5000億ドルを超える可能性があるとの見通しも示した。
- ニッセイアセットマネジメントの山本真以人チーフ・アナリストはオラクル決算は「社会でAIが実際に使われていることへの確信を深める内容だった」とし、バリュエーション(投資尺度)面で「割高」なAI銘柄への一段のマネー流入を促したと分析する。
- 米半導体大手ブロードコムも新たな相場の押し上げ役だ。株価は8月末比で24%上げた。4日の決算説明会で、新規顧客のうち1社から総額100億ドルを超える受注を獲得したと明かした。
- エヌビディアが手がけ、大量のデータ処理に適する画像処理半導体(GPU)は電力効率面で課題がある。ブロードコムのようなカスタム半導体(ASIC)の方が今後有利になるとの見方も広がっている。
- 東京証券取引所が11日に発表した9月第1週(1~5日)の投資部門別株式売買動向(東証と名証の合計)によると、海外投資家は日本株を1314億円買い越した。買い越しは3週ぶり。米利下げの確度が高まり、株買いを後押しした。
- 9月第1週は日経平均株価が300円(0.7%)上昇した。4日に発表された米雇用指標が労働市場の弱さを示し米利下げ期待が高まった。日本に対する米国の自動車関税などの不透明さが和らいだのも安心材料になった。
- 日経平均が最高値を更新する中、投資家は日本株を選好している。アストリス・アドバイザリー・ジャパンのニール・ニューマン投資戦略責任者は「欧州で長年、日本株をカバーしている投資家が買い進めている。個別銘柄を選ぶのを好むスイスなどの投資家の買いは、これからさらに活発化する」と話す。
- 個人投資家は3週連続で買い越した。買越額は1657億円だった。
- この週は日本株に投資する投資信託(上場投資信託=ETFを除く)も244億円の買い越しで、約2カ月ぶりの高水準だった。アセットマネジメントOneの「日経225ノーロードオープン」など日経平均に連動する投信が買われた。