消える円高観測 金融各社が相場見通し切り下げ、利上げずれ込み意識https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB047PP0U5A101C2000000/
【コメント】
- 今日は朝刊休刊日ですが、ドル円に関するコメント記事が電子版にありましたので取り上げます。
- 現在ドル円は154円弱です。
- これまで各金融機関は2025年12月末から2026年度にかけて140円を切るレベルまでの円高がありうると予想していましたが、ここに来て大幅に円安方向に予想を切り下げています。
- 理由は、日銀の利上げ延期予想とFRBの利下げ延期予想です。
- 基本的に為替の需給だけを考えれば円安です。これに対し日米の金利差が多少縮小していけば、「円安の速度が減速する」ということだと感じます。
- 日本は米国向けは貿易黒字ですが、全世界向けでは貿易赤字です。加えてデジタル赤字(googleやnetflixなどへの課金)が年々拡大していきます。またトランプ関税に対応するための米国向け巨額投資も円安ドル高要因になるため、当面円安傾向を反転させる要素は見えていません。
- 円安が継続すれば、日本全体の企業業績にはプラスで株価上昇の要素となります。一方で円安は輸入物価の上昇を招き一般消費者の財布を直撃することになります。
- 高市首相は円安容認で企業業績の向上を狙っていると感じます。輸入物価への対策は財政出動を行い補填していくつもりのような様子です。その最初の具体策がガソリン減税です。
- 日経平均株価はAI関連3銘柄(ソフトバンクグループなど)により上下動が激しくなっていますが、その他の銘柄も着実に株価を維持向上させている銘柄も多くあります。
- 「円安株高+輸入物価対策+先端技術開発補助金+企業の賃上げ促進」が上手くまわれば、日本経済は拡大していく可能性はあると思います。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 国内外の金融機関が為替相場の見通しを対ドルで円安方向に見直している。JPモルガン・チェース銀行は年末時点の予想を大幅に切り下げた。 日銀による早期利上げ観測が後退しているほか、高市早苗首相による財政拡張的な政策への警戒感から円売り圧力が強い。ただ、市場では政府・日銀による為替介入も意識され始めている。
- 対ドルの円相場は10月に月間で7円以上の急激な下落となった。下落率は4%を超え、他の通貨と比べて弱さが際立っている。11月に入っても4日に一時1ドル=154円台半ばと、2月以来の円安・ドル高水準を付けた。7日時点では153円台での推移が続く。
- JPモルガン・チェース銀行は10月31日付のリポートで2025年12月末を156円(従来は142円)、26年3月末を152円(同139円)とそれぞれ大幅に円安方向に見通しを修正した。同日には三菱UFJ銀行や三井住友銀行なども見通しを変えた。
- 前日まで開いた日銀の金融政策決定会合では政策金利を据え置いた。植田和男総裁は記者会見で、利上げ判断にあたり「現時点で予断を持っていない」「来年の春季労使交渉(春闘)の初動のモメンタム(勢い)について情報を集めたい」と発言。市場では日銀が追加利上げに慎重との見方から円売りが進んだ。
- 三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは早期利上げに向けた明確な地ならしはなかったと捉え「円を積極的に買いに行く局面ではない」と判断する。
- 変動金利と固定金利を交換するスワップ市場の一つであるOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場における金利水準から計算した次回の12月会合での利上げ確率は7日時点で57%。市場は早期の利上げをまだ十分に織り込んでいない。
- 高市政権が掲げる「責任ある積極財政」への警戒もある。11月下旬にも物価高に対応する経済対策をまとめ、財源の裏付けとなる25年度補正予算案を今国会で成立させる方針だ。24年度の補正予算規模を超えるとの見方があり「確実な予算規模が見えてくるまでは高市氏が掲げる積極財政への警戒感は払拭できず、円売り圧力がかかりやすい」(三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリスト)。
- 7日に発表された経済財政諮問会議の新しい民間議員には財政出動に積極的な「リフレ派」の名前が並んだ。市場では政権が円安を容認しているとの受け止めも目立つ。JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフ為替ストラテジストは「高市政権に対する円売りの反応が当初の想定より大きい」と話す。
- 金融政策としては日銀が利上げで、米連邦準備理事会(FRB)は利下げの方向を示している。日米の金利差が縮小し教科書的には円高・ドル安に進行しやすい。しかし、早期利上げ観測が後退し「足元で金利差は材料としては弱い。今は政局で動く局面が目立つ」(三井住友銀行の鈴木氏)。
- もっとも、円高の進行を見込む声もある。シティグループ証券の高島修通貨ストラテジストは「株式市場で高値調整による下落が一段と進むことが想定される。これまでの株高・円安の巻き戻しで円が買われる局面があるだろう」と話す。高島氏は25年末に1ドル=147円前後の着地を見込んでいる。
- 複数の通貨に対する実力を統合した名目実効為替レート「日経通貨インデックス(2020年=100)」の円は10月31日には71.4だった。円買いの為替介入を実施した24年7月以来の低水準をつけ、市場では為替介入も意識されている。
- 10日には日銀の中川順子審議委員による講演が予定されている。日銀の利上げ姿勢を推し量る機会として注目が集まる。
