選挙が強める介入警戒  政府、円安阻止へ背水の陣 再びもみ合い相場も

【コメント】

やはり選挙対策の高市政権の円安対策です。
選挙期間中に160円を超える円安になると国民に輸入物価インフレが想起されることを警戒したものです。現在は152円台と急速な円高が進行しています。
人為的な対策によってドル安円高となっていますが、ドル円の需給環境が急に変化しているわけではありません。
日本の経済構造に顕著な変化が現れない限り円を売ってドルを買い決済をする取引が優勢を占める状況が続きます。また米国の景気悪化懸念が後退していることからドル金利の下げ止まり観測が台頭しており、近い将来には再び利上げが想定されます。一方日本は利上げは民間経済や国債維持コストにネガテイブに働くためなかなかできません。よって潜在的にはドル高円安の傾向に変わりはありません。
昨日も記載しましたが、円高は輸入物価にはポジティブですが、輸出企業にはネガテイブで株価下落要因になります。加えてS&P500やオルカンに投資している多くの日本人にとってもネガテイブです。
自由主義経済を標榜している日本が、人為的な操作をすることには少し疑問を感じます。
抜本的に日本経済を強化し、日本売りを止めることが必須です。

【記事概要】

衆院解散に合わせ、政府が円安抑止姿勢を強めている。物価高が焦点になるなかで、輸入物価上昇を招く円安は是が非でも避けたいのが実情。米国に円買い介入の前段階とされるレートチェック(取引状況の照会)を求めたとの観測が流れるなど、円安を招く投機取引をけん制する。しかし、強力な円高材料は見当たらず、市場では昨年後半のような、もみ合い相場が再び始まるとの見方が広がっている。
為替介入の経験則を逸脱した動きが起きている。行き過ぎた為替相場を抑える為替介入は、まず当事国が単独で実施するのが常道。だが今回の円安局面では、日本が円買い介入を実施する前に、米政府によるレートチェックの観測が流れ、市場に日米協調介入への警戒感が一気に醸成された。
市場では異例の対応の背景について、選挙期間中に円安が加速することへの政府の強い危機意識が働いたとの見方が多い。高市早苗政権は財政悪化懸念から円安を招く材料になった「責任ある積極財政」を旗頭に、背水の陣で選挙戦に臨む。1ドル=160円を下回る歴史的な円安局面に突入する前に、強力な手立てを迫られたというわけだ。
気がかりだったのが、ヘッジファンドなどの投機取引による円売り圧力が想定以上に強まる可能性があったことだ。みずほ銀行が米商品先物取引委員会(CFTC)のデータを基に算出した投機筋などの主要8通貨に対するドルの持ち高をみると、1月20日時点で売り買いの持ち高がほぼ平準化され、円買い・ドル売り、円売り・ドル買いのどちらにも動きやすい体制を整えていたことが分かる。
結果として、政府は市場に日米協調介入への警戒感を醸成させることで投機取引を円買い・ドル売りに向かわせ、選挙期間前にひとまず円安加速に歯止めをかけることに成功した。米政府にとっても、世界的な金融危機や株価暴落時の切り札である協調介入に踏み込むことなく、高市政権を側面支援することができた形だ。市場では「そもそも協調介入自体の実施は念頭になかったのではないか」(ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融氏)との観測も広がる。
もっとも介入警戒感から一段の円安に歯止めがかかっても、円高に転じる材料が整ったわけではない。米連邦準備理事会(FRB)は28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見通しが大勢で、先行きの利下げ打ち止めが視野に入ってくる。日銀も23日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いており、日米金利差縮小の思惑に伴う円買いは期待できない。
こうした状況下で市場が描くのは、再びもみ合い相場に入り込む構図だ。円相場は高市政権の誕生後、昨年11月半ばから年明けにかけ1ドル=155~158円を中心に行ったり来たりを繰り返す、もみ合い相場を続けていた。
その後、衆院の解散や日米のレートチェック観測などで一時的に相場が大きく振れたが、再び落ち着きを取り戻しつつある。マーケット・リスク・アドバイザリーの深谷幸司氏は「今回のように歴史的な円安水準である160円台に近づくと介入警戒感が強まるため、当面は155円程度の水準を中心にした、もみ合い相場の第2幕に入り込むのではないか」と推測する。
衆院選を前に、円安進行による物価高を阻む必要に迫られ、強い警戒姿勢を打ち出した政府。市場ももみ合い相場で小休止する可能性が大きいが、その傍らでヘッジファンドなどの投機筋の身動きが軽くなっているのも事実。選挙結果次第では再び円相場の乱高下を招くシナリオの再現も無視できない。