【コメント】
- 一般的に従来に比べ賃上げが実現しているようですが、それでも日本人の消費意欲は低迷しています。
- 2025年12月の2人以上世帯の消費支出は、物価の影響を除いた実質で前年比マイナス2.6%と大幅に減っていたそうです。消費者の間で、ぜいたく品の購入を控え、安価な品へとシフトする節約志向が顕著となっているということが記事に記載されています。
- 確かに日常の買い物にスーパーマーケットなどにいくと、どの品物も以前に比べ10%以上値上がりしている実感があります。また大手スーパマーケットではプライベートブランドで「お、安い!」というものがあり購入意欲をそそられます。
- 「生活意識に関するアンケート調査」によれば「1年前に比べて物価は何%程度変化したと思うか」という問いに、25年11月から12月時点でも回答の平均値が17.8%、中央値が15.0%だったそうです。同時点の消費者物価上昇率は3%未満だったのですが、毎日購入する必要がある食料品などの日常品の値上がりが顕著で、心理的に「物価が高騰している。節約しなければ!」という気分になってくるのだと思います。もっとも消費者物価上昇率が3%未満というのも、実感としては統計が間違っているのではないかと思わざるを得ません。
- この点を踏まえると、一時的に食料品の消費税をゼロ化することは心理的効果はあるのかもしれません、、、が、一度ゼロ化したら将来戻せないと思います。
【記事概要】
- 消費の本格的な回復への動きが鈍い。総務省が6日に発表した家計調査では2025年12月の2人以上世帯の消費支出は、物価の影響を除いた実質で前年比マイナス2.6%と大幅に減った。25年通年では前年比が3年ぶりにプラスに転じたとはいえ、消費支出に占める食費の割合を表すエンゲル係数は44年ぶりの高水準となった。消費者の間で、ぜいたく品の購入を控え、安価な品へとシフトする節約志向が顕著となっている。
- 原因は足元で続く物価高騰である。名目賃金は上昇するものの物価上昇がそれを上回る結果、実質賃金の下落が続いている。厚生労働省が9日に発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)でも、25年の実質賃金は前年から1.3%減と4年連続でマイナスとなった。
- 実質賃金が上がらない限り、消費は回復しないとの見方はエコノミストの間で有力である。政府も高市早苗首相が25年11月の政労使会議で「物価に負けぬベア」を要請するなど、賃上げの環境整備に取り組む姿勢が示している。
- もっとも、仮に賃上げが進み、実質賃金が上昇したとしても、消費が本格的に回復すると考えるのは早計である。なぜなら、消費者の多くが実感する物価上昇は、実際の消費者物価上昇率より、はるかに高いからである。
- 例えば、日銀の「生活意識に関するアンケート調査」によれば「1年前に比べて物価は何%程度変化したと思うか」という問いに、25年11月から12月時点でも回答の平均値が17.8%、中央値が15.0%ときわめて高かった。同時点の消費者物価上昇率は3%未満だったので、消費者がいかに物価高騰を過大に感じていたかがわかる。
- このような物価高騰に対する実感は、消費者の間で物価に関して深刻な「貨幣錯覚」が広がっていることを示唆する。消費者が貨幣錯覚を持ち続ける限り、仮に実質賃金が数字の上で上昇に転じたとしても低迷する消費マインドを改善するには力不足である。
- 消費者行動に影響を与えるのは、実際の数字ではなく、所得が物価より上がったかどうかの実感である。値上がりを感じやすい食料品など日用品の価格を早く安定させることで貨幣錯覚を解消し、消費者が所得上昇を実感できる環境をつくり上げていくことが、強く求められている。
