米最高裁「大統領に関税発動権限なし」 トランプ氏、還付は法廷で争うhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20C6P0Q6A220C2000000/?n_cid=SPTMG002
【コメント】

  • 今朝は朝刊休刊です。
  • この三連休は、トランプ関税が違憲だという米連邦最高裁の判決が話題になっていました。
  • 判決は9人の最高裁判事で下され、トランプ大統領が指名した判事までもが違憲の見解を表明しています。
  • これに対し、即日トランプ大統領は別の通商法で10%の関税を続けると表明、また翌日にはこれを15%に引き上げると表明しました。朝令暮改もここまでくると容認されるのですね、、、。
  • この15%関税は150日の有期限で発動されるようですが、トランプ大統領はこの間に別の案を検討するようです。
  • 現在のトランプ関税が違憲だということを支払われた関税が返還されなければなりませんが、この返還作業には大変な労力を要すると推察されます。
  • また、トランプ関税の税率低減を企図した米国への投資の約束については日本政府はどう対処するのでしょうか?
  • いずれにしても、秋の米国中間選挙までにトランプ大統領は支持率回復を狙った政策(バラマキ?)を繰り出すと思われますが、米国政治は末期的症状のように感じます。

【記事概要】

  • 米連邦最高裁は20日、トランプ関税の合憲性が争われた訴訟で、米国が各国・地域に課した相互関税などを違憲と判断した。トランプ米大統領は即座に10%の関税を発動する代替措置を表明した。高関税政策で要求をのませる手法は制約を受けるが、強硬姿勢が続けば世界経済はさらに混迷する。
  • 判決は9人の最高裁判事のうち6人の多数意見。判決文を書いたロバーツ長官を含め3人の保守派判事が賛成した。
  • トランプ氏は判決後の記者会見で「米国にとって正しいことをする勇気を持てなかったことを恥ずべきだ」と最高裁を批判した。判決は徴収済みの関税を還付すべきか判断を示しておらず、「5年は法廷で争うことになる」として返還に応じない姿勢を示した。
  • 新たな措置として「1974年通商法122条」に基づき、米東部時間24日午前0時1分(日本時間午後2時1分)から世界各国・地域に一律10%の追加関税を発動する。発動期間は150日間で、米東部時間7月24日午前0時1分まで。
  • 日本に対する15%の相互関税の適用はなくなり、新たに10%の関税を課す。従来の相互関税と同様、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を結ぶカナダやメキシコから輸入する製品の多くは関税免除とする。
  • 122条は深刻な国際収支の赤字が生じた際の対応策として150日間限定で最大15%をかけることができる。議会の承認があれば延長もできる。政権はこの間に時間を稼いで新たな関税発動を準備する構えだ。
  • 米通商代表部(USTR)のグリア代表は不公正な貿易手段をとる国に制裁関税をかける「通商法301条」や、自動車関税などの分野別関税の法的根拠となる「通商拡大法232条」を活用する考えを示しした。
  • 準備には時間がかかる。232条は関税の発動前に最長270日間の調査期間を設け、301条も事前の調査が必要だ。「制約を伴い(相互関税のように)大規模な関税は難しくなる」(米イリノイ大ロースクールのスティーブン・シュウィン教授)との見方が強い。
  • トランプ氏は2025年1月の就任後、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき貿易赤字や合成麻薬フェンタニルの流入を「国家の緊急事態」だと宣言した。同法を根拠に相互関税やカナダとメキシコ、中国に対するフェンタニル関税を発動した。
  • 米国憲法は関税の権限は米連邦議会にあると定める。IEEPAは大統領が貿易を「規制できる」とする一方で「関税を発動できる」とは明記していない。判決はこの点に触れ、IEEPAは「大統領に関税を課す権限を与えていない」と結論づけた。
  • 今後は既に徴収した税の還付が焦点になる。米税関・国境取締局(CBP)によると、今回違憲とされた関税の徴収済み金額は25年12月14日時点で1200億ドル(約19兆円)を超える。判決への反対意見を書いたカバノー判事は、巨額の税還付は「米財務省に重大な影響を与え、混乱を招く可能性が高い」と指摘した。
  • 原告団の一人で輸入酒卸業を営むビクター・シュワルツ氏は「トランプ関税は恣意的かつ予測不能でビジネスに有害だった。不当に徴収した税金の還付を期待している」と声明で述べた。
  • 今回の訴訟は米中小企業などが中心となって起こした。一、二審でも違憲判決が出た。自動車や鉄鋼・アルミニウム製品などを対象とする分野別関税は通商拡大法232条を根拠としているため、今回の審理対象ではなく影響を受けない。