FRB議長「原油高を非常に懸念」 金利据え置き、年内利下げ1回は維持https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18BVD0Y6A310C2000000/

【コメント】

  • 依然としてイラン情勢は混沌としています。昨日はイスラエルがイランのガス田関連施設攻撃したとの報道があり、原油価格は再度100ドルに迫っています。
  • また、近々米地上部隊がイランの経済の要であるカーグ島に上陸し接収するとの話もあります。カーグ島は、イラン産原油の9割を輸出する拠点であり、この島を米軍が接収するとイラン経済は混乱に陥ります。もしこれが現実となればイランは捨て身の徹底抗戦となる可能性も否定できません。
  • 間もなく日米首脳会談が行われますが、どういう話し合いになるのか世界中が非常に注目しています。
  • 昨日は米国で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され政策金利が据え置きになるとの発表がありました。パウエル議長は、イラン情勢での影響を現時点で推しはかることは難しいとの見解ですが、原油価格の高騰によるインフレ加速は懸念されるところであり、利下げというよりは利上げの検討も射程に入れる必要があるニュアンが滲み出たことにより、株価は下落しています。
  • 今日、日本でも日銀の政策金利決定会議がありますが、政策金利に変更はないと思われます。ただし昨日の米国株下落を受け、今日の日本株には下落圧力が強まると思われます。

【記事概要】

  • 米連邦準備理事会(FRB)は18日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。同日公表した経済見通しは年内の追加利下げが中央値で1回となり、3カ月前の前回予想と同じだった。中東・ホルムズ海峡の事実上の封鎖で原油が高騰しており、物価見通しは上方修正された。
  • 政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利は3.5〜3.75%で、据え置きは2会合連続。ミラン理事は1月会合と同様に利下げを求めて反対票を投じた。前回反対したウォラー理事は据え置きに賛成した。

「中東情勢、米経済への影響は不透明」

  • 記者会見したパウエル議長は「中東情勢の進展が米経済に与える影響は不透明だ」と述べ、先行きの不確実性が再び高まっていると示唆した。個人消費や雇用を下押しする可能性があると指摘しつつ、エネルギー価格の押し上げの範囲や持続期間について判断するのは時期尚早だと指摘した。
  • 原油高を受けて全米平均のレギュラーガソリン価格は18日時点で1ガロン(約4リットル)あたり3.8ドルと、イラン攻撃前から約1ドル値上がりした。中東情勢の緊迫は短期収束が見通せない。パウエル氏は高インフレが常態化するという見方が人々に広がることを「非常に懸念している」と強調した。

物価安定で進展なければ「利下げなし」

  • 企業が関税の負担増を販売価格に転嫁する動きも続く。パウエル氏はこの物価押し上げ効果が年半ばに落ち着き始めると見通した。「そうした進展が見られないのであれば、利下げは行われないだろう」とも説明した。前回会合と同様に、次の一手が利上げになる可能性も話題になったと明かした。
  • 経済見通しでは米個人消費支出(PCE)物価指数が10〜12月期に前年同期比で2.7%上昇する予想だ。伸びは前回の2.4%から上方修正された。
  • 見通しを提出した19人のうち7人は少なくとも年末まで利下げをしないと回答した。1回の利下げを予想したのも7人だった。2回以上の予想は5人で前回の7人から減った。中央値では変わらないものの、利下げに消極的な参加者が増えた。
  • 一部の参加者は雇用情勢の減速を警戒しているが、今回の経済見通しでは10〜12月期の失業率が中央値で4.4%と前回から据え置かれた。前年同期比でみた実質経済成長率は2.4%で、前回の2.3%からやや上方修正された。パウエル氏は米経済は良い状態だと強調し、失業率も「ほとんど動いていない」と指摘した。
  • 物価の高騰と高い失業率が同時に起きるスタグフレーションのリスクについて聞かれると、パウエル氏はオイルショック後の70年代の状況がいかに深刻だったかを強調し「直面しているのはそのような状況ではない」と否定した。
  • パウエル氏の議長としての任期は5月までだが、後任に指名されたウォーシュ元理事は米連邦議会の承認をいつ得られるか見通せていない。与党・共和党の上院議員がパウエル氏への刑事捜査に反発しているためだ。

捜査終結まで「理事会を離れるつもりない」

  • パウエル氏は記者会見で「捜査が透明性を持って完全に終結するまでは、理事会を離れるつもりはない」と述べ、議長退任後も理事として残る意向を示した。新議長の承認が遅れた場合は、パウエル氏が引き続き暫定議長として残るのが決まりだとも説明した。捜査終結後に理事として残るかは明言しなかった。
  • 新体制への移行は見極めづらく、追加利下げを巡るFOMC内の意見対立がどう収束するか見通せない。
  • トランプ米大統領は11月の中間選挙を控え、引き続き利下げ圧力をかける。18日午前には自身のSNSに「『遅すぎる』パウエルはいつ金利を引き下げるのか?」と投稿した。12日にも「次回会合を待たずに即時利下げすべきだ」と主張していた。