イラン、米国の停戦案を拒否 ホルムズ海峡「主権」など5項目を逆提案https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR25BMO0V20C26A3000000/

【コメント】

  • 米国が15項目の停戦案をイランに提示していましたが、イランはこれを拒否しました。
  • 各能力の解体などは理解できる提案ですが、戦争を仕掛けられ民間に大きな被害がでているイランにとって受け入れはなかなか難しいのかもしれません。
  • トランプ大統領は相当に焦っています。自身は早期停戦を望んでいますが、イランはホルムズ海峡実質封鎖をトリガーに引き伸ばし作戦にでています。
  • このまま紛争が長引き、原油の需給にますますの逼迫感が出てくると、世界中の日常生活に大きな影響が出てくることは必須です。特に日本には甚大な影響が出てくることが現実味をおびます。

【記事概要】

  • イラン国営放送は25日、イラン高官の話として、米国が提示した停戦案をイランは拒否すると報じた。米国の要求は「過剰」で、イラン側が望む時期と条件においてのみ停戦は実現可能だとした。トランプ米大統領は交渉の進展をめざしているが難航する可能性がある。
戦闘終結「イランが決める」
  • イラン高官は戦闘終結に向けて5つの具体的な条件を示した。①侵略と暗殺の完全な停止②戦闘再発防止の仕組みの確立③賠償金の支払い④親イラン組織を含めた地域全体での戦闘の終了⑤ホルムズ海峡におけるイランの主権を認めることを求めるという。親イラン組織はイスラエルと交戦するレバノンのヒズボラを指すとみられる。
  • 戦闘終結のタイミングについて高官は「イランが決める」と述べ、トランプ氏の判断には左右されないと強調した。
  • AP通信などによると、これに先立ち米国は仲介役とされるパキスタンを通じてイラン側に15項目の停戦案を示した。
  • イスラエルメディアのチャンネル12によると、イランの核開発能力の解体や、中部ナタンズなどの関連施設の廃止が盛り込まれた。中東の親イラン組織への支援停止やホルムズ海峡の開放も含む。その見返りとして米国は対イラン制裁を解除するほか、同国南部ブシェールの原子力発電所プロジェクトを支援する。
  • 米ニュースサイトのアクシオスは、26日にもパキスタンで停戦交渉が実施されると伝えた。パキスタンのシャリフ首相は24日、X(旧ツイッター)で同国が停戦交渉の「ホストとなる準備ができており、光栄に思う」と投稿した。
  • レビット米大統領報道官は25日の記者会見で、イランとの和平交渉は「継続している」と述べた。イラン側は21日夜に対話の意思があると米側に伝えてきたと明らかにした。
  • 米国とイスラエルがすでにイランの軍事力に大規模な打撃を与えたと改めて主張し「イランが現実を受け入れなければこれまで以上に激しい攻撃を加える」とも強調した。
イスラエル、対話進展を警戒
  • 米ウォール・ストリート・ジャーナルは25日、米当局者の話として同国とイスラエルがイランのアラグチ外相とガリバフ国会議長を一時的に攻撃対象から除外したと報じた。停戦交渉を優先するためとみられる。ガリバフ氏は米国が交渉のキーマンとみているとされる。
  • トランプ氏が停戦を模索するのはイランでの軍事作戦継続の負担が増しているからだ。ホルムズ海峡の事実上の封鎖などによりエネルギー価格が上昇し、米国内でも反発の声が出ている。トランプ氏はホルムズ海峡を「共同管理する」などと主張している。
  • 両国は過去にイランの核開発などを巡る協議を繰り返してきたが、核開発の停止を求める米国と平和利用を主張するイランの溝は深く、妥協点を見いだせなかった。今回の戦闘でホルムズ海峡の管理も新たな交渉の項目に加わり、協議はさらに難航する可能性が高い。
  • イランはドローン(無人機)での船舶攻撃などで海峡を事実上封鎖することでエネルギー市況に影響を与え、米国に圧力をかけている。開放には簡単に応じないとみられる。交渉で好条件を引き出すのが難しくなれば、消耗戦に引き込もうとするとの見方もある。
  • イランは米国との核交渉を進める中で同国から先制攻撃を受けた。2025年6月の「12日間戦争」も核交渉中にイスラエルがイランを攻撃し、その後米国が参戦した。イランの対米不信は深く、交渉が実現しても進展がみられるか不透明だ。
イスラエルは米国とイランとの交渉の行方を警戒している。米ニューヨーク・タイムズによると、イスラエルのネタニヤフ首相はイランの軍需産業を可能な限り破壊するよう命じた。米国による15項目の停戦案を入手した後に命令が出たという。