KDDI会計不正、社内融資が隠れみのに 「バカになれ」と部下唆すhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB01AS00R00C26A4000000/

【コメント】

  • トランプ大統領の「最近」の期限は日本時間8日午前9時となっています。ここまでに停戦の合意に至らなければ、米国はイランの全ての発電所を破壊すると言っています。ただ、トランプ大統領は再度期限を延長する可能性もありますが、、、。
  • 今朝は、最近不正会計が発覚したKDD Iの記事がありましたので取り上げます。
  • 最近話題になった不正会計は、オルツ、エアー・ウォーター、ニデックなどが取り上げられていますが、KDDIもまた多額の不正会計事案です。
  • KDD Iの子会社である有名なビックローブが広告代理店を巻き込んだ架空循環取引で不正に売上高をでっち上げていたというものです。
  • 架空循環取引では資金繰りに窮する事態が常ですが、KDDIグループのグループ融資のチェックが甘く取締役会でも事業リスクに踏み込んで融資審査がされていなかったことが不正を長期化した一因とされています。
  • 企業の経営管理の原点は規模の大小に関わらず、「損益管理」以上に「キャッシュフロー管理」が重要です。経営陣がその視点を軽視すると、不正の拡大や業績の悪化を招きます。会計不正がおこると毎回言われることですが、、、。

【記事概要】

  • KDDIが受け取った調査報告書は、ネット広告代理店を手掛ける傘下企業で起きた架空循環取引の巧妙な手口を明らかにした。取引案件をでっち上げ、2400億円を超える実態のない売上高をつくり出した。隠れみのとなったのがグループ融資だった。
  • 「悪いことはしていない。気にしないでバカになれ」。ネット広告代理店を手掛けるグループ会社ジー・プランで不正の首謀者となったA氏は、部下のB氏にそんな言葉を言ってのけた。B氏は取引の最も上流と下流の代理店が同じ会社など、取引の不可解な点に疑問を抱いて問いただした。それに対してA氏ははぐらかした。
  • それ以上B氏はA氏を追及しなかった。取引を知るのはA氏のほか自分しかいない。上層部の知るところとなれば自分が告発者として断定されるのは明らかだ。周囲に相談すらできなかった。B氏はA氏の指示のもと違和感を覚えながらも不正に関わることになった。
  • A氏が架空取引を始める背景にあったのがうまくいかぬ事業への焦りだった。2018年、ジー・プランで自身が立ち上げたネット広告代理店事業の売上高が目標を下回り、このままでは撤退を余儀なくされる状況にあった。売り上げ目標を達成し赤字を補塡するため広告主の存在しない架空循環取引に手を染めていった。
  • 22年にはジー・プランの親会社であるビッグローブもネット広告代理店事業への参入を決めた。本業のネット接続事業が伸び悩むなかでの決断だった。ジー・プランで「実績」を上げていたA氏とB氏を出向させ、事業を任せた。2社での取引管理は不正の首謀者である2人だけで完結し、不正の事実が長らく隠蔽される構図となった。
  • A氏はビッグローブ幹部を関与させないような画策もした。例えば同社幹部が取引先と面談を希望した際は「(取引先の幹部は)人嫌いな人物だ」「緊張するタイプで会うことはできない」などと言い訳し、接触しないよう遠ざけた。
  • ビッグローブが循環取引に加わったことは、不正が異例な規模に拡大する契機となった。親会社のKDDIの資金により傘下企業の資金繰りを支えるグループ融資を使えるからだ。資金繰りに困らなくてすむ。ビッグローブは自社の信用力に加えて、グループ融資を駆使して先払いできるのを売りに取引先を開拓していった。
  • 最終的に外部の計21社が関わることになり複雑な仕組みが築かれた。架空循環取引では複数の外部企業を巻き込んで書類などをそろえ監査の目を欺いていた。取引が不正と知っていた企業もいれば、知らなかった企業もいるとみられる。
  • A氏は個人的な利益享受を否定したものの、広告代理店から2年間でキャバクラ代などとして3000万円の現金を受け取っていた。報告書では、架空循環取引で莫大な利益を得ていた、この広告代理店から取引継続に伴う私的な利益を受けていたものと評価されるとした。
  • ビッグローブへの融資はKDDIの取締役会で決めていた。貸し付け極度額(限度額)は増え続け、26年3月期には830億円と前の期より4割増えた。取締役会では貸し付け極度額を積み増す理由として「事業拡大などに伴う資金需要増に対応するため」と説明されたが、事業リスクに踏み込んで議論を交わした様子はうかがえなかった。
  • 架空取引は最終的に25年末まで続いた。グループ融資を活用したビッグローブの借入金残高は800億円規模と3年前の約2倍に膨らんでいった。借入金が上限の830億円を超えたのは、ビッグローブの架空取引が止まり入金が滞ったことで、同社の信用リスクの低減や資金繰りの安定が必要と判断されたためだった。
  • 架空取引で外部企業に流出した資金は累計で329億円に上り、26年3月期だけでも171億円にのぼる。不正拡大はグループ融資による借入金の増大と重なっていた。