中東混迷下、円が独歩安 対ユーロ一時187円台半ば 日銀の利上げ慎重姿勢、売りの一因にhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260415&ng=DGKKZO95656870U6A410C2ENG000
【コメント】
- 円安です。
- 中東混迷で原油入荷の不安感が拭えない中で、世界中が日本の脆さに注目しています。
- 原油の90%以上を中東に依存する日本は、中東の混乱が長期化すれば必ず深刻な経済危機を招くとの発想が大勢を占め始めています。
- ユーロ圏では原油急騰を受けたインフレを抑制するためにもっぱら利上げの観測が高まっており、オーストラリアではすでに利上げが開始されています。一方で日銀の4月の利上げ期待は、ここ数週間で70%から30%に低下しています。中東の混乱の最中に利上げを行えば、混乱が極まるとの発想と思われます。このような政策金利の観測が円安に拍車をかけています。
- ドル円は政府の介入観測がブレーキになり160円手前で円安が止まっていますが、対豪ドルや対ユーロなどは介入の心配がないため史上稀に見る円安となっています。
- このまま円安が進めば、輸入物価の上昇が加速されインフレがますます進行します。
- 新たに外貨を獲得する新産業が育っておらず貿易収支の恒常的な赤字体質という本質的な問題に加え、金利差や原油問題などが円の価値を急速に低下させています。
- 個人も、資産を円だけでなく外貨で持つことや、預金だけではなく投資をしておくことの重要性を真剣に再認識すべき良い機会かもしれません。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 外国為替市場で円が独歩安の様相を呈している。14日に対ユーロで最安値を更新したほか、対オーストラリア(豪)ドルは36年ぶりの安値に迫る。日本は利上げに対するスタンスが相対的に消極的なほか、中東混迷に伴う資源高騰も円売りを促している。目先は円安が続くとの声が多い。
- 「中東情勢の混乱が続くなか、円を買う理由は非常に乏しい」。外為どっとコム総合研究所の神田卓也シニア為替アナリストは14日、足元の市場の雰囲気をこう語った。
- 14日の東京市場で円は対ユーロで一時187円52銭近辺と1999年の単一通貨ユーロ誕生以来の最安値を更新した。対豪ドルでも1豪ドル=113円台と、3月につけた1990年以来の安値水準に迫る。
- 円は対ドルでは1ドル=159円台を中心に推移し、心理的節目である160円台をにらむ展開が続く。政府・日銀による円買い介入への警戒感が円相場の下値を抑えているものの、円売り・ドル買いの圧力は根強い。
- 「円の一人負け」の根底にあるのが、各国の金融政策方針の違いだ。
- 欧州では原油急騰を受けたインフレを抑制するため、欧州中央銀行(ECB)が利上げに動くとの見方がもっぱらだ。英LSEGによると2026年中に3回の利上げがコンセンサスになっている。
- 豪準備銀行のハウザー副総裁は13日、現行の政策金利について、インフレを抑えるためには利上げが必要になるとの趣旨の発言をした。豪準備銀行は26年に入ってすでに2回金利を引き上げ、市場では追加で2回の利上げが織り込まれている。
- 対照的に慎重姿勢を示すのが日銀だ。日銀の植田和男総裁は13日の信託大会に寄せた挨拶文で、中東緊迫の長期化で「国際金融市場では不安定な動きがみられる」との認識を示した。「サプライチェーン(供給網)への影響を通じて、企業の生産活動に下押し圧力がかかるリスクもある」とも指摘した。
- 「市場では4月の利上げの可能性は低いと受け止められた」。オーストラリア・ニュージーランド銀行の町田広之ディレクターはこうみる。27~28日に日銀が開く金融政策決定会合で金融市場が予測する利上げ確率は、14日時点で3割台と一時の7割弱から大幅に後退した。仮に今回利上げを見送れば、160円台が定着するとの見方が少なくない。
- エネルギーの多くを中東に頼る日本の特異性も円安の一因だ。ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは「原油高に対する日本経済の脆弱性が、円売りの要因として働いている」とみる。
- 日本は原油のおよそ9割を中東から輸入している一方、欧州は1割程度に留まる。国際指標の米原油先物価格が1バレル100ドル前後と歴史的な高値で推移するなか、依存度の高い日本には貿易赤字が膨らむとの懸念で円に売り圧力がかかりやすくなっている。
- 他の主要国と比べて実質金利が深いマイナスに沈むなか、円高に傾く要因はほぼ見当たらない。しばらくは円売りに押される展開が継続しそうだ。
