くすぶる「円安第2波」 今年半ば以降も原油高影響 実需主導、政策対応難しくhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260422&ng=DGKKZO95806770R20C26A4DTC000
【コメント】
- イランとアメリカの交渉期限があと1日に迫りました。どうやらイランは交渉を拒否する様子です。今週後半にはアメリカによるイランの発電所などの社会インフラへの総攻撃が開始されると思われていましたが、日本時間今朝トランプ大統領はSNSに「停戦期間を延長する」と記載しました。TACOです!
- 取り上げた記事は「円安」です。
- 中東情勢悪化により原油価格が大幅に値上がりしていますが、現時点では原油輸入はストップし備蓄放出で賄っていますので、実質的に原油価格の影響はでていません。
- 中東情勢が年後半まで長引けば、日本経済は最悪の事態に陥る可能性がありますが、そうはならない前提だとしても、今後の原油価格はこれまでの約60ドルから確実に値上がりした状態が続くとの見方が大勢を占めています。
- これまでも、日本の輸出競争力は停滞しており、加えて個人(オルカンなども外貨投資)/企業(関税がらみの米国への巨額投資の約束)の海外向け投資の増加や、いわゆるデジタル赤字で、円安傾向をたどってきました。
- これに加えて原油の輸入価格上昇による貿易赤字が拡大すれば、更に円安です。
- 昨日、武器輸出5類型の撤廃が決まり武器輸出が可能となりました。この点は貿易赤字縮小に寄与するかもしれませんが、顕在化するには時間がかかりそうです。
- 円安が拍車をかける物価高はなかなか収まりそうもありませんので、長期分散で堅実に投資を進めることが、将来の安定した生活に備える一つの手段だと感じます。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 市場参加者の間で、今年半ば以降の「円安第2波」を予想する声がくすぶっている。イラン情勢を受け、原油などのエネルギー価格上昇の影響が長引くという見立てだ。企業などの実需マネー主導の円安は為替介入などの政策対応が難しく、円安局面の長期化につながる可能性もある。
- 円相場の値動きが鈍い。イラン軍事衝突が始まって2カ月近くが経過したが、1ドル=158~160円を中心にした狭い値幅での売買が続き、基軸通貨のドルに資金が退避する「有事のドル買い」の構図はさほど目立っていない。
- 背景にあるのは、ヘッジファンドなどの投機マネーが円売りを主導していることだ。日本政府による円買い介入への警戒感が強く、円を売った後に速やかに円を買い戻す短期売買が優勢になっている。
- もっとも市場の円先安観は消えていない。市場が見据えているのは、企業などの実需マネーが主導する先行きの円売り拡大、「円安第2波」だ。イラン情勢で原油価格は一時急騰したが、いまのところ輸入価格上昇による円安は強まっていない。中東からの原油輸入が止まり、政府が原油備蓄を放出したこともあり、足元では貿易赤字が顕在化していないからだ。
- だが先行きイラン情勢が落ち着き、原油輸入が再開されたとしても、イラン軍事衝突で中東の石油精製施設などは少なからず破壊されている。
- 野村総合研究所の木内登英氏は「ホルムズ海峡への機雷敷設に対する警戒感もあり、中東からの原油輸送には当分の間、リスクプレミアムが加わる可能性も高い」として、原油価格が落ち着きを取り戻すまでに数カ月から半年程度の時間がかかるとみる。しかも日本企業の主要なサプライチェーン(供給網)先であるアジア地域から輸入する部品や食材などにも、原油高の影響で価格上昇圧力がかかる可能性を否めない。
- 原油関連の輸入価格が上昇すれば、輸入に占めるエネルギーの割合が大きい日本の貿易構造は多大な影響を受ける。13日公表のQUICK外為月次調査によると、多くの為替市場関係者が「2026年は大幅な貿易赤字になる」と見込んでいることが分かった。5兆~15兆円の赤字を予想する意見が半数以上を占め、20兆円規模に達するという意見も少なからずあった。
- 振り返ると、貿易赤字が20兆円規模に達した22年もロシアによるウクライナ侵略があり、国際資源価格の上昇で円安が加速。年初の115円台から秋にかけて一時150円の節目を突き抜けた経緯がある。
- 市場には国際紛争と資源価格高騰という共通点から、22年の急激な円安局面を連想する声もあり、マーケット・リスク・アドバイザリーの深谷幸司氏は「イラン情勢の先行きは読みづらいが、円相場が160円の節目を抜ける展開になる可能性も十分にある」とみる。
- 実需マネー主導の円安が進む場合、日本政府の対応も難しさを増す。投機的な円売りが進む場合は欧米からも円買い介入への理解を得やすいが、企業行動に伴う円安の場合、円売りが加速しないかぎり、どこまで人為的に抑え込めるかは不透明だ。しかも投機マネーのように利益確定の買い戻しが前提の円売りと違い、実需マネーの円売りには買い戻しが伴わない。
- これまで160円の節目を防波堤として、行き過ぎた円安をけん制してきた日本政府。仮にイラン情勢が収束に向かっても、実需マネーへの警戒は残る。政府と市場の1ドル=160円を巡る攻防は長期戦になる可能性も否めない。
