介入後に円売り 手ぐすね  「円高は一時的」155~157円に照準 一段安の見方強まるhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20260710&ng=DGKKZO97458910Z00C26A7DTC000

【コメント】

  • 円安です。
  • 記事では細かく記載されていますが、機関投資家や輸入業者は円安ドル高の思惑を変えていないようです。
  • 政府・日銀による為替介入が見込まれていますが、長期目線では円安を想定されていることから、介入で5円程度円高になったところで、機関投資家や輸入業者はドル買い(円売り)を実行する気配のようです。
  • これでは、政府・日銀による為替介入は非常に短期的な効果しか発揮できず、米国債を効果が薄い為替介入のために今売却する意味があるのか疑問です。さらに円安になった時期に売却すれば政府・日銀の円の手取りはさらに多くなると思いますが。
  • 円を強くするには、産業競争力の強化しかありません。世界各国が日本から財やサービスを「買いたい」と思う産業を育てるしかありません。
  • そういう意味では、高市政権は本質を捉え至近の円安は気にせず改革に邁進しようとしていると思います。
  • この改革が成功するのが先か、国民がインフレに耐えきれず高市政権に反旗を翻すのが先か、要注目です。

【記事概要】

  • 政府・日銀による円買い介入を待ち構える市場関係者が増えている。対ドルで1ドル=155円程度まで円高が進めば、すかさずドル買いに動こうと備える。介入による円高進行は一時的で、その後は足元の水準を超える円安になるとの見方が強まっているためだ。
  • 「円高に傾く理由がなかなかない」。朝日生命保険の内村伸明資産運用企画部長は話す。同社は為替介入などで1ドル=155円近辺に円高が進んだ場合、外債投資の際にかけている為替ヘッジを一部外す方針だ。ヘッジ解消はドル買い・円売り要因となる。
  • 円安は海外資産の評価益の増加につながる。長期的に円安が進む確度が高いと考えるなら、介入など一時的に円高に振れたタイミングでヘッジを外せば利益を狙える。「(日米の短期金利差に基づく)ヘッジコストがなくなれば、日本国債よりも米国債の利回りが高く投資妙味がある」(内村氏)
  • 対ドルの円相場は8日のニューヨーク外国為替市場で162円70銭台をつけ、9日の東京市場でも162円台で推移した。トランプ米大統領がイランとの停戦が「終わった」と言及し、1日につけた39年半ぶり安値の162円84銭に接近している。
  • 4月30日の介入直前の160円72銭を大きく超えて円安が進むなか「次の介入は不意打ちになるのではないか」(市場関係者)との声は多い。来週の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)など米経済指標が弱ければ、最近のドル高が修正されるとの見方もある。
  • 円安・ドル高の巻き戻しを手ぐすねを引いて待つのは機関投資家だけではない。
  • 「157円近辺を指定した輸入企業のドル買い・円売りの注文が多い」。顧客企業の動向に詳しいりそなホールディングスの井口慶一シニアストラテジストは明かす。
  • 4月の為替介入では、160円から155円までと値幅は5円にとどまった。輸入企業が実際にドルを買うことができたのは157円近辺だったという。「このとき以上の円高はないとの見方が圧倒的に増えてしまった」(井口氏)
  • 介入で一時的に円高が進んだ後は、一段の円安が待っている――。市場の見方は通貨売買の権利を取引するオプション市場に如実に映る。
  • 円の対ドル取引で「プット(売る権利)」から「コール(買う権利)」の需要を差し引いたリスクリバーサルをみてみよう。満期が1カ月のものは4月末の介入以降、マイナス1%台半ば~後半での推移が目立つ。
  • これは需要が円買いに傾いた状態が続いていることを示す。ディーラーやヘッジファンドなど、短期目線の市場参加者が介入などによる急な円高・ドル安に備えているとみられる。
  • この傾向は満期が長くなるにつれて薄れる。1年物は今週、円安警戒を示すプラス圏に浮上した。2022年11月以来3年8カ月ぶりのことだ。SBIFXトレードの斎藤裕司エグゼクティブ・アドバイザーは「中東情勢が不透明ななか、エネルギー企業が為替の円安リスクだけでも抑えたいと考えている」との見方を示す。
  • ドルの対ユーロ取引の通貨オプション市場でも、1年物リスクリバーサルはドル高警戒に傾く。三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井基成マーケット営業課課長は「米景気の強さを背景に、市場参加者が長期のドル高に備えている面もありそうだ」と指摘する。
  • 最近では160円を超える円安・ドル高が続くとの予想を明らかにする金融機関が相次いでいる。米ゴールドマン・サックスは7月に入り、1年後に165円になると予想した。従来は155円で、10円も円安方向に変えたことになる。
  • 同社は円相場について「拡張的な財政政策や日銀の利上げが緩やかななかでは引き続き下落圧力が強い」と指摘。円買い介入をしても効果は限定的とみる。
  • 4月末の介入以降、円相場はほぼ一本調子で下落してきた。6月以降は年内の米利上げが意識されドル高圧力が高まったほか、日本政府がまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の原案が日銀の利上げをけん制しているとの見方から円安が加速した。
  • 「高市政権の政策が転換しない限り円安の修正は難しい」(大手生保幹部)。市場には諦めにも似た雰囲気が漂っている。