政府・日銀が円買い介入、一時157円台 NY連銀はレートチェックhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN30CSI0Q6A730C2000000/

【コメント】

  • 昨夜、ドル円が一気に5円円高に動きました。政府日銀の為替介入があったとの見方がもっぱらです。
  • 米財務省もニューヨーク連銀が通貨を売買する際のレートを聞き取るレートチェックを複数の銀行に要請したもよう。日米両国で連携しドル高円安を阻止した格好です。
  • 今日は日銀の政策決定会合の結果を説明する会見が行われます。市場の見方は「利上げ無し」ですが、もし利上げが発表されれば更なる円高となることが考えられます。
  • すでに日銀の利上げに関する結論は出ているのでしょうから、ひょっとすると日銀がサプライズ利上げを発表し、2024年になぞって一気に円高に水準を切り上げることを狙っているのではないかとも推察できます。
  • 今日の植田総裁の会見に注目です!

【記事概要】

  • 30日のニューヨーク外国為替市場で円相場が対ドルで急伸し、一時1ドル=157円80銭を付けた。政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に動いたほか、米通貨当局が介入の前段階である「レートチェック」をしたことが市場関係者の話で分かった。日米が連携して円安の抑制に動いたことになる。
  • 米東部時間の30日午前9時半(日本時間同日午後10時半)すぎから、円は急ピッチで上昇した。1ドル=162円80銭前後から50分ほどで約5円の円高・ドル安が進んだ。市場関係者によると、日本政府による大規模な円買い介入があったという。
  • その後、円は一時159円台後半まで戻したが、午後1時過ぎに再び158円台後半に急騰した。米財務省の指示でニューヨーク連銀が通貨を売買する際のレートを聞き取るレートチェックを複数の銀行に要請したためだ。日米当局が同じタイミングで市場に関与するのは異例だ。米財務省は日本経済新聞の問い合わせに回答していない。
  • 米側のレートチェックは今年1月に続く動きだ。米連邦準備理事会(FRB)は2月、円買い・ドル売りに備えたレートチェックを米財務省の指示で1月に実施したことを認めている。
市場の「油断」ついた政府
  • 円相場は21日に約40年ぶりとなる1ドル=163円台にまで下落し、その後164円に迫る場面もあった。それでも市場では介入への警戒感がそれほど強まっていなかった。
  • 為替介入は特定水準を「防衛」するためではなく、無秩序な為替変動が経済や金融の安定に悪影響を及ぼしうる際に許容される、という建前がある。円安進行のスピードは緩やかで、介入に踏み切る正当性は乏しいとみられていた。
  • 円高に備える「保険」の値動きから警戒感の後退が見てとれる。円を対ドルで将来売ったり買ったりする権利を取引する通貨オプション市場では、「円を買う権利」への需要の偏り(リスクリバーサル、1週間物)が7月上旬をピークに緩まっていた。
  • 円相場が上下にどれだけ動くと市場が織り込むかを示す予想変動率も1カ月物が直前に6%を下回り、4年半ぶりの低水準だった。相場変動に備える動きが薄れていた。
  • 介入が相場の流れを変えるには、円売りに傾いた投機筋の持ち高解消を促すことがカギとなる。
  • 政府・日銀は4月末から5月にかけて総額12兆円弱の介入を実施した。円相場は一時急伸したものの、その後2カ月ほどで介入前より円安の水準に戻った。
  • 当時は三村淳財務官が介入直前に「最後の退避勧告」と発言し、市場を強くけん制していた。これが市場参加者に持ち高を調整する時間を与え、介入のサプライズ効果を弱めたとの見方もある。今回は市場の警戒が後退するなかで不意を突くタイミングを選んだ可能性がある。
  • ある銀行系エコノミストは「介入があったとすれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米短期金利の動きをみて決断したのではないか」と指摘する。
  • FRBのウォーシュ議長は29日、政策金利の維持を決めたFOMC後の記者会見で、利上げは物価高解決の「唯一の手段だとは言えない」と話した。市場ではインフレ抑制に向けたFRBの姿勢への疑念が強まり、目先の利上げ観測がやや後退した。
  • 30日発表の米成長率や物価指標が市場予想を下回ったことも重なり、ドルは幅広い通貨に対して下落していた。ドル高が進んでいた4月とは異なり、すでに始まっていたドル安を増幅する形なら、介入効果を高められると判断した可能性がある。
日銀、どう動くか
  • 市場参加者の脳裏には、2024年夏の記憶がよみがえる。
  • 政府・日銀は2024年7月11〜12日の2日間に計5.5兆円の円買い介入を実施した。その後、日銀の利上げや米物価指標の下振れが重なり、円相場は最大で約20円上昇した。介入前の1ドル=161円台を再び下回る円安水準に戻るまでには、約2年かかった。
  • 当時の円高を増幅したのが、投機的な円売りポジションの巻き戻しだった。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、非商業部門による円の売り越し幅は直近値の7月21日時点で15万2125枚。2024年7月に付けた18万4223枚のピークに迫る。
  • 足元の売り越しは先物1枚当たり1250万円で換算すると想定元本で約1.9兆円に相当する。CFTCが捉えるデータは全体の一部に過ぎないとされ、円売りが一斉に巻き戻れば介入額以上に円高が進む余地はある。
  • 次の焦点は日銀に移る。日銀は31日に金融政策決定会合の結果を公表し、植田和男総裁が記者会見に臨む。今回は政策金利の据え置きが見込まれている。市場が現在織り込む利上げペースは、おおむね「半年に1度」。植田総裁が追加利上げに前向きな姿勢を示し市場の想定より早い利上げの可能性を示唆すれば、円高が加速する可能性もある。