消費税国会5日に開会 野党対案は現金給付、10兆円ありきの論争へhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0111U0R01C26A0000000/

【コメント】

  • 今日から、臨時国会です。主要議案は食料品の消費税率を1%に引き下げる法案です。
  • 政権与党は消費税減税を標榜しますが、野党は現金給付などを提案するようです。
  • 与野党ともに財政支出額10兆円(2年間)を前提としていますが、そもそも10兆円という支出が本当に必要なのかという議論はなさそうです。
  • 与党案では、消費税10%のうち9%部分を減税し、残り1%を中低所得者向け給付を導入するとしています。そのようなことが今できるならば、本当に困っている中低所得者向け給付だけに絞って給付をすれば10兆円という巨額な財政支出を回避できるのではないかと思います。
  • 今後、産業活性化や防衛費への支出増加が見込まれることを勘案すると、財政悪化懸念が拭えません。金融市場が、日本の財政支出が拡大し続けると予想すれば、日本国債売りが加速し、長期金利が更に上昇します。金利の上昇は将来の国債の利払い費の膨張を招き、ますます財政悪化懸念が拡大するという負のスパイラルに陥ります。
  • この懸念を回避する手段は、二つです。一つは緊縮財政に戻すこと、もう一つは産業活性化の成功に賭けることです。
  • 高市首相は後者に賭けています。日本の発展を考えれば合理的な選択と思いますが、、、正念場です。

【記事概要】

  • 第222臨時国会が5日召集される。政府・与党は食料品の消費税率を1%に引き下げる関連法案の早期成立をめざす。野党はその財源10兆円が確保できる前提で現金給付などを提起する。「消費税国会」は与野党が巨額の国費の使途を主張しあう構図となる。
  • 臨時国会の会期は12月12日までの69日間。政府は21本の法案を提出する予定だ。10月5日は高市早苗首相が衆参両院の本会議で所信表明演説に臨む。7〜9日は与野党による代表質問に入る。
  • 政府は2027年4月から2年間の食料品の消費税減税を計画する。27〜28年度は税率1%分相当の中低所得者向け給付を導入し「実質ゼロ」とする。29年度からは所得連動型の「就業者負担軽減支援金」を本格開始する。一連の減税や給付の内容を束ねて法案を提出する。
  • 食料品消費税の「実質ゼロ」には2年間で10兆円かかる。首相は「赤字国債には頼らない」と明言する。補助金など歳出削減、物価上昇と経済成長に伴う税収増などで賄うと説く。具体的な項目や積算は年末に向け予算編成過程で詰めるとして明らかにしていない。
  • 野党は2年限定の消費税減税を批判する。公明党の岡本三成代表は3日の党大会で「物価高対策としてはあまりに非効率だ」と述べた。
  • 野党が指摘する問題点はいくつかある。①外食業界や農業者に影響②29年4月に実質増税になる③来春まで物価高への対策がない④需要を喚起するためインフレが過熱する⑤事業者がコスト転嫁し、それほど店頭価格は下がらない――などを挙げている。
  • 「巨額の費用を投じたバラマキをやめるべきだ」といった提起は乏しい。長期金利が上昇して利払い費は増え、財政運営が厳しいという点には視線が向きにくい。物価変動を考慮した実質賃金は1月以降、プラスに転じている。
  • 立憲民主、公明両党は27年4月より前に速やかに現金を給付するよう求める。政府・与党が減税に使う予定の10兆円を財源と見なしている。政府案より効果的な物価高対策がほかにあるとの立場だ。
  • 公明党には国民に一律10万円を給付し、年末調整で課税する「課税給付」案が出ている。立民は住民税非課税世帯などを対象に想定する。
  • 記者会見する国民民主党の玉木代表(9月29日午前、国会内)
  • 国民民主党は住民税の控除額を50万円引き上げる政策を掲げる。税率は一律10%のため1人あたり5万円程度の減税になると試算する。非課税の低所得者には社会保険料納付額を上限に給付する案だ。
  • 社会保険料還付付き住民税控除制度の導入を急ぐよう求めている。玉木雄一郎代表は7月の党首討論で「年5兆円といわれる財源の範囲でいいので」とも言及した。食料品だけの消費税減税ならば現金給付のほうが効果的との見解も示す。
  • チームみらいは政府案よりも手厚い所得連動型給付の早期導入を主張する。
  • 参政党は恒久的な消費税廃止を要求する。神谷宗幣代表は8月の記者会見で、税率を一律で引き下げる法案を臨時国会に提出する考えを示した。共産党なども似た立場だ。
  • 自民党と日本維新の会は衆院で定数の4分の3にあたる議席を持つが、参院は会派ベースで過半数の124議席に4議席足りない。与党は野党の一部から賛成を得るために協力を求める。
  • 野党各党は巨額の国費を投じる物価高対策を講じることには反対していない。
  • 国民民主の榛葉賀津也幹事長は2日の記者会見で「消費税減税に反対ありきではない」と強調した。「国民に取りすぎている税金を戻して、国民の懐を温めることができるのか。そういう建設的な議論をしたい」と話した。
  • 野党には対案を取り込んでもらえれば賛成に回る余地をみせる動きもある。10兆円の使途をめぐる論争は予算積み増しの議論になる可能性が出ている。