「波乱」前の金買い、着々 米利下げとインフレ警戒映す NY先物、3400ドル近辺
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250815&ng=DGKKZO90670430U5A810C2DTD000
【コメント】
  • 金価格が着々と上昇しているようです。
  • 最近、日米ともに株価が史上最高値をつけている中で投資家は金も着々と買い進めているようです。
  • 金は、投資家の間では安全資産とされています。金投資は配当は産みませんが、地球上の金の埋蔵量は限られており、半導体等高度なIT関連製品には必須の資源で、その希少性が価値につながっています。
  • また、最近はドルへの信任が揺らぎ始めており、貨幣の価値を裏打ちする金を各国中央銀行などが買い進めています。
  • トランプ関税騒ぎを契機に世界の経済情勢は不透明感を増しています。発表される米国の経済指標も力強さを欠いています。
  • このような状況下、投資家は次に訪れるリスク局面に備えているのかもしれません。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
  • 米利下げ期待や関税交渉進展で株式などリスク資産の買い意欲が強まる中、相対的な「安全資産」とされる金(ゴールド)の相場もなお最高値圏で推移している。金の市場関係者が後の「波乱」を予測しているためだ。株式市場や経済への楽観論が広がる中でも、投資家は着々と金を手元に積み上げている。
  • 米株式市場で主要な株価指数が13日、最高値を更新した。東京株式市場でも日経平均株価は同日、史上初の4万3000円台に乗せた。それでも安全資産とされる金からの資金流出は限定的だ。
  • 英スタンダードチャータード銀行のスーキー・クーパー貴金属アナリストは、4月の株価急落以降は24年までのような米国一強を示す「米国例外主義」が影を潜め、「相場急変に備えたヘッジ目的の金買い需要が広がっている」と指摘する。
  • 金が株式投資のヘッジになるのは、株価急落時に金価格が上昇しやすいためだ。例えばS&P500種株価指数がパンデミックを受け20年1~3月期に前四半期比20%下落した場面で金ニューヨーク先物価格は5%上昇した。「金は運用ポートフォリオのリスク分散に役立つ」(マーケットアナリストの豊島逸夫氏)との見方が背景にある。
  • 利下げ圧力が、米インフレ再燃の可能性がくすぶる中で高まっている。スイス金精錬会社MKS PAMPのニッキー・シールズ調査・金属戦略責任者は「相互関税が適用されてからまだ日が浅く、影響がインフレ指標などに反映されるのはこれから」とみる。
  • 今後、仮に物価の再上昇の兆しが見られるなかで政権の圧力を受け利下げが進めば、金融政策を適切にかじ取りできていないとの判断から相場が荒れる可能性がある。
  • 日本貴金属マーケット協会の池水雄一代表理事は「金市場関係者の多くはこうした波乱の事態に身構えている」と話す。安全資産でありモノでもある金の価格は、インフレ下で二重の追い風を受ける。多様な投資家が金を求める現下の状況は、株価や経済に対する楽観論がかりそめのものかもしれないという市場の警戒を映し出す。