日経平均、初の5万円 「成長重視」にマネー先回り 政策不発なら下落圧力https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20251028&ng=DGKKZO92207470Y5A021C2MM8000
【コメント】
- 昨日、日経平均は5万円を超えました。「早い!」というのが市場関係者の反応です。
- AI祭りと高市政権期待、米中経済問題勃発の先送りなどが重なり、海外投資家が日本株買いを強めているようです。昨夜米国株も史上最高値をつけています。
- 米国時間の28日からAI関連のハイテク企業が決算発表をします。市場の期待を達成できているのかどうかの見極め次第で日米株価の方向性が決まるようです。
- 日本株の今後のみき分けポイントは、「実効性のある物価高対策」「国を挙げて企業成長を後押しする産業政策」「市場金利に対する十分な配慮」です。これらのポイントが市場の期待を裏切る兆候が出てくれば高い山は深い谷に変わると思われます。
- 経済の将来の姿を映し出す鏡である株式市場は、まずは短所よりも長所を見にいくそうです。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 日経平均株価が27日、史上初の5万円台に乗せた。成長を重視する高市早苗首相の経済政策への期待が先行し、海外マネーが流れ込む。米中対立の懸念後退も株価を押し上げる。
- 日経平均の27日終値は前週末比1212円67銭(2.5%)高の5万0512円32銭。4万円台を初めてつけてから約1年8カ月での大台替わりは過去最速だ。
- 4万5000円から5万円に上昇するまで1カ月あまりと、ペースは加速する。急ピッチな上げ相場の主役は海外投資家だ。「政府系ファンドや大手運用会社など、日本株買いが止まっていた長期の投資家が買いだした」。SMBC日興証券でトレーディング部門を率いる玉井大介エグゼキューション・サービス共同部長は語る。
- 海外投資家の注目を集めるのが産業政策だ。特に防衛関連セクターへの関心が高い。高市首相は24日の所信表明演説で、防衛費を国内総生産(GDP)比で2%水準に引き上げる目標を2025年度中に達成すると表明した。東京株式市場では三菱重工業やIHI、川崎重工業がそろって上場来高値を更新した。
- UBS証券の守屋のぞみ株式ストラテジストは「政治の強いリーダーシップは個別企業でなく日本株全体に関心を持とうという意識を投資家にもたらす」と指摘する。
- 海外発の株安懸念も後退した。米中両国の貿易戦争は26日までの協議を踏まえ、中国がレアアース(希土類)の輸出規制を1年間延期するかわりに、米国は100%の対中関税発動を見送る方向と伝わった。
- 日経平均の5万円台定着を阻むリスクはくすぶり続ける。高市政権は少数与党での運営が続く。政局不安で政策期待が剥落すると株価は下がりやすくなる。仏系運用会社コムジェスト・アセットマネジメントの日本株担当、リチャード・ケイ氏は「政権の政策実行力はなお見極めが必要」と指摘する。
- 今週は28日の日米首脳会談をはじめ、政治・外交で大きなイベントが続く。30日には米中首脳会談が見込まれる。両国関係はいったん緊迫感が和らいだ。会談後に改善が進まなければ、株高を支える楽観ムードが揺らぐ。
- マイクロソフトなど主要な米テック企業の決算発表も控える。日経平均は米オープンAIに投資するソフトバンクグループや、半導体製造装置のアドバンテストが押し上げてきた。業績見通しや高水準となっているデータセンター投資の規模が期待値を下回れば、株安の引き金となる。
- 日米の金融政策も日本時間30日に決まる。日本の株高は金融緩和を背景にした世界的な株価上昇の流れの中にある。過度なインフレ懸念が再燃し米国の利下げ観測が後退すると、株価は調整局面に入る可能性がある。
