高配当株を「はしご」する異色の新ETFに注目する理由https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB126DQ0S5A211C2000000/
【コメント】
- 朝刊休刊日の月曜日で、あまり際立ったニュースがないので、少し身近な記事を取り上げます。
- 高配当株を3ヶ月ごとに売り買いして、配当利回り7%を実現しているETF(上場投資信託)があるそうです。
- 基本は高配当大型株に投資を継続し、30%程度を高配当の中型株に入れ替えを3ヶ月ごとに行うというものです。
- 一般的な配当利回りは4%程度ですので、このETFがこれまで通り上手く運用できれば面白い投資先と感じます。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
- 異色の高配当株ETF(上場投資信託)が2025年10月に誕生した。大和アセットマネジメントのiFreeETF日本株配当ローテーション戦略は、配当株なのに「短期売買」が特徴だ。
- ポートフォリオを「3カ月以内に配当の権利月が来る銘柄」だけで構成し、3カ月ごとに全銘柄を入れ替える。例えば3月が権利月の銘柄は、権利落ち後になったら即座に売却し、次は6月が権利月の銘柄に乗り換えるのだ。同じ資金で複数銘柄の権利月を「はしご」することで、年間配当総額を増やす戦略だ。分配金は年4回。
- しかし、そんな都合のいい戦略があるだろうか。権利落ち日には理論上、配当の分だけ株価が下落する。「権利落ち後にすぐ売る」戦略では、もらえた配当が株価下落で相殺されるだけではないか。
- しかし、17年9月からのデータで検証したところ、「一般的な高配当株指数より秀でていた」(大和アセット)という。年率リターンは他の高配当株指数の平均(合成指数)の15.3%に対し、このETFは16.6%。一方で、リスク(標準偏差)や期間中の最大下落率はこのETFの方が低かった。
- 「配当を除く値動きはTOPIX(東証株価指数)並みで、そこに7%台の年間平均配当利回りが加わる」(同)。一般的な高配当株投信の利回りはせいぜい4%程度で、差が際立つ。
- 同社は好成績の理由を幾つか挙げる。例えば、各銘柄は権利月の3カ月前に買うため、権利月にかけて配当狙いの買いで上昇しやすい。権利落ちの下落があっても、それまでに「先回り投資」の効果が出るため、通算すれば損失要因になりにくい。
- 通常の高配当株投信の銘柄入れ替えは年に1〜2回だが、このETFは常に3カ月後の予想利回りで入れ替えるため、減配リスクの高まった銘柄を早めに除外できる点も効いているという。他に、組み入れ比率が時価総額基準ではなく均等配分で、毎月リバランス(配分調整)をしている点も挙げる。あくまで過去データによる試算だが、注目の戦略と言える。
