不信任案、動けぬ立民 関税見極め・コメ評価 党首討論 対決は演出「無策な政権」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250612&ng=DGKKZO89301110R10C25A6PD0000
【コメント】
  • 昨夕、国会で党首討論が行われていました。
  • テレビでダイジェスト版しか見ていませんが、以下の記事にもあるように「子供の喧嘩」「失職恐れの責任のなすりつけ合い」の様相でした。
  • 基本的には歳入に対して歳出をどうするのかがしなければならない大枠の議論だと思います。ですが、各党(および一部自民党議員)は足元の物価高に対する「天からの援助」の内容を力説しているだけと感じます。
  • GDP比でとんでもない負債を抱えている日本の借金をどういうマイルストンで縮めていくのかの合意がなされれば、あとは「絶対に支援が必要な弱者」から段階的に支援策を遂行すれば良いだけと思います。
  • 「いくら借金があっても関係ない。足元の支援(直近の選挙)が最重要」と、口には出さないですが真剣に思っている国会議員が多数いると推察されます。
  • 借金がさらに膨らめば、GDPが加速度的に拡大しない限り未来の日本は暗いです。皆わかっているはずですが、、、。
  • 石破首相が無策と言われていますが、「借金増加を極力抑制する」という本質的な策を主張しているのですが!
【記事概要】
  • 石破茂首相は11日、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党との党首討論に臨んだ。今国会最後となった首相と立民の野田佳彦代表の論戦は、会期末の内閣不信任決議案の提出につながるかという視点で注目を集めた。野田氏は討論で不信任案に触れず、あいまいな姿勢にとどめた。
  • 野田氏は物価高対策として与党が参院選公約に盛り込む検討をしている給付を「ばらまきだ」と批判した。首相は「政府として検討中という事実はない」と答えた。一人あたり2万~4万円の給付が浮上している。「与党からよく話を聞かなければならない」とも述べた。ばらまきや高所得者優遇にすべきではないとの考えを示した。
  • 立民が掲げる食料品の消費税率下げには「賛同しかねる」と発言した。
  • 野田氏は石破政権の取り組みについて「先送りか無策が特徴だ」と迫った。一方で「全部は否定しない。コメで取り組んでいることはわかる」と一定の理解もみせた。
  • 維新の前原誠司共同代表は同党が自民、公明両党と協議を続ける社会保険料の負担軽減について「(自民党の)森山裕幹事長がガソリンの旧暫定税率の廃止について7党で法案を提出するのであれば協議そのものを見直すと言ったそうだ」と言及した。「約束違反ではないか」と批判した。首相は「3党の合意は極めて重い。少数与党だが、維新が予算に賛成した重みを忘れることがあっては絶対ならないと思っている」と応じた。
  • 対照的に国民民主とは対決姿勢が目立った。玉木雄一郎代表は与党が検討する給付の財源候補にあがる税収の上振れを「自民党のものでも公明党のものでもない」と批判。減税で納税者に返すのが筋だと主張した。首相は「税収が与党のものだと思ったことは一度もない。そのような侮辱はやめていただきたい」と返した。
  • 今回の首相と野田氏の論戦の焦点のひとつが、会期末の不信任案の提出につながるやりとりを繰り広げるかだった。野田氏は党首討論後、記者団に提出判断への討論の影響を問われ「これでどうこうということはない」と語った。玉木氏はガソリン税の旧暫定税率の廃止などの議論が進んでいないとし「信任できる状況にはない」と言明。不信任案の共同提出について立民の判断を見定める考えを示した。内閣不信任案の提出には51人が必要で、野党は立民だけが単独提出できる。可決できれば首相を退陣か衆院解散に追い込める。野田氏は姿勢を明示せずに討論を終えた。
  • 国会の会期末は22日だが、実質的には来週末の20日になる。会期末まで日がある段階で対決姿勢をどうするか結論を出すのは得策ではない、との判断が立民内にある。提出を巡り立民内では意見が割れている。枝野幸男元代表は提出に慎重な姿勢をとる。提出から衆院解散や首相の退陣に至り、対米関税交渉に悪影響が及ぶことは避けるべきだと主張する。
  • 一方、立民で参院選の総合選挙対策本部長代行を務める小沢一郎氏は主戦論を唱える。野党が一致すれば可決する可能性がある状況で、提出すべきだと訴える。不信任案を見送れば他の野党から「弱腰」と批判される懸念もある。
  • 立民が不信任案を提出した場合、首相は自民党幹部や閣僚らに採決前に解散する選択肢もあるとの考えを伝えた。首相周辺は「少数与党だから不信任案が出されればそれは解散だ」と語る。
  • 不信任案を巡っては維新や国民民主も立民に提出を促すような発言を繰り返してきた。両党が組めば立民抜きでも提出できる。しかし野田氏が不信任案の提出時には他党に共同提出への意思を確認すると発言すると、前原氏や玉木氏は慎重姿勢に転じた。