- 賃上げ報道が相次いでいる中で、日経は社説で「労働価値」の重要性を記載しています。
- 現在、マルクスの言う剰余価値(生産された価値―労働に支払われた価値)は潤沢で、株主への高配当や高水準な株価、加えて地価も上がり、高額の高層マンションは飛ぶように売れているが、一方で日々の生活費を切り詰める人は少なくない。
- 店を開く際、富裕層をターゲットにするかそれ以外の人々を対象にするか、はっきり分かれている。同じ国土に全く異なる日本国民Aと日本国民Bとが暮らしていると書いている。労働価値が後退してしまったことだと結論付けている。
- そして、経済活動の要である労働者は、労働価値に見合う賃金を受け取る。ここ一両年の春季労使交渉(春闘)で前向きな動きが出てきたのは、格差是正に向けての一歩だ。そして労働価値説への回帰は、失われた日本経済社会の活力を一部の人だけでなく各層にわたって取り戻す、確かな足がかりになるだろう。
- 知的/肉体を問わず労働が人類の価値創造の原点であり、それに対し適正な対価を提示することが、正常な経済と政治を維持する根幹だと感じます。