GDP年率2.0%減 景気回復、足取り鈍く 1~3月実質、車不正・円安響く
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240517&ng=DGKKZO80735790X10C24A5MM8000
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240517&ng=DGKKZO80735790X10C24A5MM8000
- 内閣府が16日発表した1~3月期の実質GDP(物価変動の影響を除く)速報値は、前期比で年率換算2.0%減。
- プラスだったのは公共投資(+3.1%)、政府最終消費(+0.2%)だけ。これは能登半島地震の公共的な支援があったことも影響している。
- 他の実質GDP項目は全てマイナスだったようだ。
- GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0.7%減で4四半期連続のマイナス。4期連続の減少はリーマン危機に見舞われた2009年1~3月期以来で、さかのぼれる範囲で減少期間として最も長い。円安や原油高を背景とした物価上昇に賃金の伸びが追いついていない。国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比で3.6%上昇と6四半期連続でプラスだったが、収入の動きを示す雇用者報酬は実質で前期比0.4%減だった。
- 消費に次ぐ民需の柱である設備投資は前期比0.8%減だった。減少は2四半期ぶりとなる。人手不足による建設工事や生産の目詰まりも解消されていないことも影響している。
- 民間住宅も2.5%減、輸出は5.0%減と4四半期ぶりに減少。
- 名目と実質の開きは家計や設備投資で使う見かけ上の金額が物価上昇で増えても、実質的な数量は増えていない日本経済の実態を示す。
- 日本全体として賃金が喧伝されるほど上がっていない、あるいはその実感がないなかで、物価が目に見えて高騰している状況下では、当然のことながら従来以上に節約志向になる。企業は好調な決算を発表しているが、四半期ごとに賃上げを行うなど従来にない手法で加速度的に賃上げを行わないと、日本経済はさらに加速度的に沈没する可能性があるかもしれない。