訪日客、コロナ前超え続く 5月、3カ月連続300万人 宿泊業の人手不足深刻に 省人化投資・賃上げ急ぐ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240620&ng=DGKKZO81507450Z10C24A6EP0000
  • 5月の訪日客数が304万100人、3カ月連続で300万人台で、23年5月と比べると60.1%とお大幅なプラス
  • 米国や韓国、シンガポールなどからの訪日客が増えているようで、1人当たりの消費単価は23年には19年比31%増加した。平均宿泊日数も19年の6.2泊から23年は6.9泊に拡大したという統計があり、24年は更に金額・日数ともに増加拡大すると想定できる。
  • これに伴い人手不足が顕著。全国企業短期経済観測調査(短観)で雇用人材が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」の割合を引いた雇用人員判断指数(DI)は、宿泊・飲食サービス業がマイナス70となり、全産業(マイナス36)に比べ大幅な人手不足を示している。
  • 優秀な人材の確保のためホテル各社では賃金改善が相次ぎ、例えば帝国ホテルは定期昇給で平均7%の賃上げを実施したようだ。
  • この人手不足に伴い、ホテルや旅館の客室の稼働率は4月で全国で57.3%、19年同月と比べると7.7ポイント低下。需要はあるものの、人手が足りず稼働率を高めることができない状況。
  • 各社は単価を高めて、限りある客室で収益拡大を進めている傾向で、4月の全国の宿泊料は19年同月に比べ約1.3倍になっている。
  • 今後も訪日客の更なる増加が見込まれる中で、宿泊業はIT利用による無人化が対策の一つということになるが、観光客は日本特有の「おもてなし」を期待しているところもあり、どう対応するかが課題。