新興、老いる「けんぽ」離脱 保険料低い新組合へ 現役世代の負担軽減狙う 進まぬ医療保険改革映す
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20240621&ng=DGKKZO81544310Q4A620C2EA2000
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- 大企業の個別健保や中小企業向けの協会健保は高齢化により保険料率が高くなっている。
- 新興企業は、これを回避するために、新たな健康保険組合を設立。「VCスタートアップ健保」と命名し、180事業所のおよそ1万人が加入。
- 新組合は月の給料の8.98%(労使合計)に設定、協会けんぽの料率全国平均の10%(同)と比較し低い。
- 新たな健保組合の加入者の平均年齢は35.5歳で、協会けんぽの46.2歳(2022年度)と比べて若い。
- 年齢が上がると医療にお金はかかりがちとなる。「社員が若くて収入もあるなら、けんぽにとどまる理由はない」という声もあるよう。
- 協会けんぽには毎年1兆円規模の公費が投入されており、医療費が比較的少ない若者らの脱退は痛手。この先、大規模な離脱の動きに発展するようであれば、国の負担に響く恐れがある。
- 大企業は個々に健保を設立し独立採算で運営しているが、こちらも運営は楽ではない。
- 既存健保にが徹底した効率化策が取られないと、VCスタートアップ健保に似たものの設立が相次ぐかもしれない。この若い新興健保もいずれは高齢化により既存健保と同様な状況に陥る。医療費の改革を本質的に進めないと、国の負担金がますます増加するか、個人負担が加速度的に増える恐れがある気がする。