IMF、24年の世界成長3.2%を維持 軟着陸に期待
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12EHY0S4A710C2000000/
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- 国際通貨基金(IMF)は16日、四半期に1度の世界経済見通しで2024年を3.2%成長とした4月の前回予測を維持した。
- 新型コロナウイルス禍後の高インフレを受けた金融引き締めにより、世界経済は22年の3.5%、23年の3.3%と緩やかな減速を続けた。物価を落ち着かせるには引き続き経済活動を冷やす必要があるが、失速を避けたほどよい低成長を維持できるかが焦点。
- ユーロ圏は実質的な賃金上昇や利下げによる需要の押し上げ効果を反映して予想を0.1ポイント上げた。
- また中国とインドは上方修正。中国は0.4ポイント高い5.0%。インドは24年を7.0%と0.2ポイント引き上げ。
- 一方、日本と米国は予想を引き下げている。
- 日本は自動車メーカーが品質不正で生産・出荷を停止した影響で24年の成長率を0.7%と0.2ポイント下方修正。
- 米国は、個人消費の減速と高水準の政策金利の影響により、0.1ポイント低い2.6%とした。
- IMFは経済の減速よりも、堅調さを保つ主要国の需要がインフレの高止まりにつながるリスクを警戒。24年はサービス価格の上昇が根強く、保護主義的な貿易規制の増加も国際的な商品価格の押し上げ圧力となると予想。
- IMFは中央銀行が利下げを急ぎすぎるべきではないとし、高インフレが続くようなら「さらなる引き締めに前向きであるべきだ」と訴えた。
- 24年は主要国で大型の選挙が続く「選挙イヤー」で、財政が拡大しがちでインフレを押し上げる要因にもなるが、将来の支出増に備えて健全化を進めるべきだと主張した。
- 世界的に需要は旺盛で、インフレ懸念の要因も多々ある。米国はインフレ沈静化が確実視できれば利下げに踏み切ると思われるが、トランプ政権下になると仮定すると本当にインフレ退治ができるのか要注視。
- 日本は、インフレに賃上げが追いついておらず、実質賃金の低下が顕著。このような環境下での利上げは慎重とならざるを得ないと推察。
- それにしても、日本の成長率は24年 0.7%、25年 1.0%と低水準。これは国際競争力の著しい低下を反映した数字であり深刻。