IFRSで営業利益の定義統一、日本流「経常利益」どうなる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1025X0Q4A011C2000000/?type=my#AAAUAgAAMA【コメント】
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- 朝刊休刊日なので日経ビジネスの記事から。
- IFRSが2027年度から営業利益の概念の統一を行う。
- これまで、企業により「コア営業利益」「調整後営業利益」など、各企業独自の営業利益が開示されていた。同一会社の時系列を分析するには問題ないが、他社比較は極めて困難。投資家は統一により投資判断がし易くなる。
- また、日本基準で特別損益とされている「減損」「人員リストラ費用」などいわゆる一過性コストが、IFRSの統一基準では全て営業利益となる。減損になる投資もリストラされる人員も、過去に営業目的で行った(投資あるいは採用)行為であり、営業利益に含めることのほうが営業利益累計でみた場合には自然。
- IFRSと米国基準は極めて似ており、日本を除く世界各国の一定以上の規模の会社はどちらかを採用している。日本は未だローカルな日本基準を採用している企業が多く、これも資本市場のグローバル化が遅い一因か。
【記事概要】
- 国際会計基準(IFRS)で営業利益の計算ルールが2027年度から統一され、開示も義務化される。
- 営業利益の開示を義務付けてきた日本基準とは違い、IFRSは営業利益の表示を義務付けていなかった。
- 今般の統一の理由は、①統一された利益指標を求める投資家側のニーズ ②企業独自の業績指標があまりに拡大していること
- 大きな変更点は、損益計算書に『営業』『投資』『財務』という新たな3つの区分が導入されること。
- 投資区分には、持ち分法適用の損益や、投資不動産の賃貸収益などが入る。財務に入るのは、借入金やリース負債に関わる金利など、企業の財務活動の結果生じる費用。『営業』という区分は、投資や財務に振り分けられなかった『残余』。残余なので、日本基準では営業利益に含まれない一過性の特別損失もIFRSでは『営業』区分。
- 「日本基準とIFRSの営業利益は正反対の発想。
- 日本基準の基本的な発想は、まず売上高、次に原価を引いて売上高総利益、そして販管費などを除いて営業利益を計算する。そこから、さらに持ち分法投資損益や利払いなどを考慮して経常利益を計算していく」
- 一方、IFRSの営業利益は損益計算書をむしろボトムライン(最終損益)に近い下側から考えている。税引き前利益があり、そこから金融費用や持ち分法投資損益といった投資や財務の区分の費用や収益を除いた残り物から営業利益を計算する。