世界経済、来年3.2%成長 関税応酬なら失速恐れ IMF見通し 消費堅調「米1強」続く
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20241023&ng=DGKKZO84291590S4A021C2EA2000
【コメント】
  • 日本の経済成長は弱い。24年度はわずか+0.3%、25年度も+1.1%。
  • やはり米国経済は安定的に強い。懸念が喧伝されている中国も+4%台を維持。インドは7%前後でやはり世界経済牽引の期待の星。
  • 経済成長の差は、人口の差に起因していると考えられる。インドは国民の平均年齢が低くかつ人口が増加傾向、米国も議論はあるが移民で人口増。一方中国は、早晩の人口減を反映し過去の高成長から減速。ユーロ圏も一部の国では人口増加政策をとってはいるが全体として人口は停滞傾向。日本は高齢化と人口減が必須、加えて純血主義がDNAに埋め込まれており(?)移民が人口増を担うとの期待感は薄い。
  • 人口減少に歯止めをかけることが将来の日本国存続に必須な課題だが、どうすれば良いのか?
【記事概要】
  • 国際通貨基金(IMF)は22日、四半期に1度の世界経済見通しを公表。
  • 2025年は24年と同じ3.2%成長を見込む。
  • 景気の軟着陸(ソフトランディング)という基本シナリオを維持しつつ、米欧と中国が関税引き上げを応酬する事態となれば世界経済が失速しかねないと指摘した。
  • 主要国では米国について個人消費の強さから成長率を上方修正し、「米1強」が続く状況を描いた。一方、ユーロ圏を下方修正した。
  • 日本は24年は伸びが鈍化。前回からさらにやや弱めに修正し、24年は0.4ポイント低い0.3%となった。
  • 今回の報告書の特徴は世界経済の軟着陸シナリオを示しつつも「成長の下振れリスクが高まっている」と強調。
  • 中東情勢の緊張や中国の成長鈍化に加え、最大の懸念材料は11月5日に投開票が迫る米大統領選。
  • IMFは基本シナリオに加えて、米国が10%の一律関税を導入し、中国とユーロ圏も互いの貿易で同率の関税を設定する「代替シナリオ」を提示した。名指しはしないが共和党候補のトランプ前大統領が掲げる公約に近い。追加関税の応酬となった18~19年のような貿易戦争になる前提だ。世界の貿易の4分の1が直接的な影響を受け、世界の貿易量は26年までに4%押し下げられると見込む。
  • このほか25年末に期限を迎える個人所得減税(トランプ減税)の延長や移民の制限、金融市場が不安定になるといった仮定をすべて合計すると、世界の国内総生産(GDP)は25年に0.8%、26年までに1.3%目減りするという。
  • こうした事態になれば、世界経済の軟着陸は難しくなる。20年の新型コロナウイルス禍の時期やリーマン危機時のような状況には至らないものの、世界的に経済活動の停滞感が強まる可能性がある。
  • IMFは世界経済が中長期的に3%程度の成長率にとどまると予想する。歴史的に見れば低い水準だ。
  • IMFは各国が技術革新の力を高める構造改革を進め、人工知能(AI)が経済の生産性を高めるような動きを後押しする必要があると説明している。