大教授の年収は高い?安い?
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20241119&ng=DGKKZO84878530Y4A111C2DTC000
【コメント】
東大教授の報酬は意外に低い印象。総長や副学長も同じ。
記事にあるように、日本のトップクラスの頭脳集団と思われるが、この程度の報酬で大丈夫なのだろうか?
世界の中での東大をはじめ日本の大学の順位が冴えないが、報酬や大学への研究投資が不十分なことが影響しているのではないだろうか?
昔から言われているが、資源がない日本は国民の知的レベルが国際競争力を維持する手段だと思うが、この点をどう強化していくのだろうか?
【記事概要】
国立大学法人東京大学が公表している2023年度財政状況によると、平均年齢55.8歳の教授の年間給与額平均は1201万7000円。
これを高いと見るか、安いと見るか。同資料によれば、国家公務員を100とした場合、「年齢・学歴勘案」した同大職員の年収は94.4。教授と国家公務員の正確な比較ではないが、低いのは事実だ。
筆者の肌感覚で言えば、東大の教授ほどの人にしては安いと思う。理科系の東大教授なら、日本の科学技術の最先端の研究者、教育者でもあるはずだ。日本の研究レベルをさらに引き上げるには、人的投資をもっと増やしてもいいのではないか。「大事なのは研究環境の改善。報酬ではない」との声も聞くが、それにしても、という気がする。
240社余りを対象にした民間調査によると、常務クラスの年間報酬(基礎報酬、賞与、株式など長期インセンティブの合計)の中央値は5100万円余り。東大教授の平均の4倍超だ。米有名大学の教授なら、少なくとも東大の3倍ぐらいになるという。
東大総長でも年収は23年度で2500万円弱、副学長クラスの理事で2000万円弱である。東大トップといえども首相(約4000万円)や日銀総裁(約3500万円)を上回るわけにはいかず、教授の年収もそんなヒエラルキーで決まっているのだろう。
先の衆院選では各党が教育費の軽減や無償化を競った。教育を受ける側の負担を下げ過ぎれば大学財政が苦しくなり、教える側の報酬を思い切って上げるなどの措置が取りにくくなる。政治はこのミスマッチをどう考えるのか。
現状を打破する狙いからか、東大は25年度の入学生から学費を20%引き上げ、64万2960円にする。私立大学と比べてもかなり安い。奨学金制度の充実やカリキュラム改革などが必要なのは当然としても、世界から有能な教授陣を招くための報酬と学費をどうバランスするかの視点も忘れるべきではない。