次の米財務長官は「財政タカ派」 金利低下・株高が加速
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25CCC0V21C24A1000000/
【コメント】
  • トランプ政権の財務長官候補(スコット・ベッセント氏)決定により、米国の金利低下と株高が進んでいます。
  • ベッセント氏は、財政規律重視派のようで、国債発行の抑制により金利を抑え、株価の維持上昇に関心があるようです。
  • また同氏は、「為替水準は国力の強さにより決まる」とのスタンスのようであり、恣意的な為替政策はとらないもようです。トランプ氏も、ドル基軸は望んではいるが、ドル高による米国輸出競争力低下には大きな懸念を示しているので、日本に影響が大きい為替政策がどうなるのかが一つの関心事でしょう。
【記事概要】
  • トランプ次期米大統領が財務長官に投資家のスコット・ベッセント氏を指名し、25日の米金融市場では金利低下と株高が進んだ。
  • 中期的な財政赤字の縮小を訴える同氏の登用で、財政悪化による金利上昇を回避できるとの期待が出ている。
  • トランプ氏が望む株高につながる政策への思惑も浮かぶ一方、ドル高是正にどこまで踏み込むかが焦点になる。
  • 米財務長官の主な役割の1つは、財政運営の根幹として、10月時点の発行残高が28兆ドル(約4300兆円)と世界最大の金融商品でもある米国債市場を管理することだ。
  • 米メディアによると、ベッセント氏は国内総生産(GDP)比の米財政赤字を2028年までに3%に縮小するようトランプ氏に進言している。
  • ベッセント氏は、選挙後に株高やドル高で反応したことを踏まえ、市場はトランプ氏を高く評価していると主張した。
  • トランプ氏は前政権時代から経済の好調ぶりを測る尺度の1つとして株価に言及することが多い。
  • 市場では通貨政策も担うベッセント氏のドルの「相場観」にも関心が向かう。
  • 同氏は「米国が優れた経済政策を進めれば自然とドル高になるだろう」「世界の基軸通貨としてのドルの地位を維持する」と述べている。
  • トランプ氏もドル基軸は維持する意向をかねて示している。ただ、米製造業の輸出競争力をそぎかねないドル高には否定的で、選挙戦では円安や人民元安を批判する場面があった。