米国株がマネー総取り ダウ最高値、時価総額は世界過半 一極集中リスク懸念
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20241206&ng=DGKKZO85278540W4A201C2EA2000
【コメント】
  • 地球は米国株一強状態にあるようです。ダウの時価総額は世界の過半を占めるようになっています。日本の、三菱UFJアセットマネジメントの米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がそれを象徴しています。
  • 理由は米国企業の強さにあります。先端技術に優れ、グローバルに稼げる企業が多いことです。また先端技術に造詣が深い投資家層も厚くベンチャーへの投資も多額で「今」だけではなく「未来」にも強さを継続できる期待が持てます。
  • 世界の時価総額100位には米国企業が、なんと63社あります。日本はトヨタの1社のみ。中国企業が10社、欧州各国も日本より多く、インドも3社あります。日本企業の衰退傾向が一目瞭然です。
  • 新NISAで日本人が米国株中心に投資を行なっていることは、それはそれで妥当な選択だと感じます。「米国一極集中にリスク懸念」と記事にはありますが、米国企業の株が暴落すれば他国企業の株もおそらくもっと暴落すると思われるので、米国一国集中以外に選択肢がないのかもしれません。
  • なんとも言えない気持ち悪さがありませんか?

 

【記事概要】
  • 米国株が世界の投資マネーを「総取り」している。投資信託経由の資金流入は過去最高ペースで、主要指数は連日のように最高値を更新している
  • 個人からプロまで世界のあらゆる投資家が資金を米国株に振り向けている。欧州株ファンドは22カ月連続の資金流出に直面し、中国を含む新興国株や日本株が伸び悩むなか、米国株の強さが際立つ。
  • 米国株による「総取り」を象徴するファンドが日本にもある。三菱UFJアセットマネジメントの米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だ。このほど上場投資信託(ETF)を除く国内公募投信として純資産6兆円を初めて突破した。NISA(少額投資非課税制度)口座経由で個人マネーの流入が続く。
  • 米国株ほど自国経済以上に評価されている国・地域はない。自国の外で稼ぐグローバル企業が多いことが理由の一つだ。
  • 優秀な人材や有力企業をひきつける米国資本市場の深化によって、割高な株価は許容できるとみる。
  • 米国は未上場株を含め先端技術に知見を持つ投資家層が厚い。経済協力開発機構(OECD)によるとGDPに占めるベンチャーキャピタル(VC)投資額比率をみると、首位の米国は2位のカナダの2倍以上だ。上場後も高い株価がつきやすく、巨大なテック企業を生み出す力になっている。
  • 世界の時価総額上位100社のうち、63社は米国勢だ。10年末時点の37社から7割増えた。アップルやエヌビディアといったテック企業がこの間に台頭したことが大きい。逆にテック分野のけん引役を生み出せなかった英国やフランス、日本は数を減らした。
  • トランプ氏の米大統領返り咲きはマネーの米国集中に拍車をかける可能性がある。
  • 例えばトランプ氏が志向する関税引き上げが実行に移されれば、世界貿易の停滞を招き、欧州と中国の経済にとって打撃となる。一方、米国企業は規制緩和や減税延長の恩恵を受けやすい。JPモルガンのチーフ株式ストラテジストのドゥブラフコ・ラコスブハス氏らは「米国株に代わる選択肢がほとんどない」と指摘した。
  • 世界の投資家はこれまでのところ米国株の保有で高いリターンを享受している。一方で資金集中の弊害も気にし始めている。
  • 伝統的な長期投資家は資産や地域を分散し、万が一のショックに備える運用を志向してきた。もっとも目先の世界株投資で高いリターンを目指すのであれば、米国株以外を積極的に増やすのは難しい。分散によるリスク抑制効果を一部諦めざるを得なくなっている。
  • 仮に米国でリーマン危機級のショックが起きれば、米国偏重の運用資産は大きな損失を被る。
  • 英運用大手シュローダーで運用責任者を務めるパトリック・ブレナー氏は「米国株だけに資金を集中させるのはリスク」と指摘し、「分散効果を狙うには米ドルや金(ゴールド)も1つの解」と話す。金の長期リターンは株式との相関が低いとされる。最高値圏にある金価格は、米国1強に対する投資家の不安を映す。