【コメント】
- 改めてですが、日本国債の格付けは低く、これが日本企業の格付けに影響を与えているという記事です。
- 日本国際は、主要7カ国中5番目。また、シンガポールや香港、韓国を下回る。そしてエストニア、中国と肩を並べる水準です。理由は、「巨額な政府債務」「潜在成長率の低さ」「人口動態」「高齢者依存率」です。
- 最近、「巨額の」補正予算が成立しましたが、この資金負担を賄うために、また多額の国債が発行されます。このまま財政支出を継続すれば、高齢化とともに更なる格下げの理由となります。
- 国会議員の選挙での当選を意識したバラマキによるご機嫌取り政治をやめないと、日本が大変なことになると思われます。
- まずは、内閣にイーロンマスク的人財を招聘し、一部補助金や官庁の外郭団体、議員数など日本中の官公庁の無駄を排除すべきかと思われます。その後に、税収の範囲内で政策的歳出を行うべきです。
- そうでないと、日本企業の格付けが上がらず競争力に大きな影響が生じ、本社を日本国外に移す動きが出ます。日本国が消滅!
【記事概要】
- 2025年度の一般会計予算は概算要求が117兆6059億円と2年連続で過去最大になった。24年度予算は11月に閣議決定した総合経済対策に伴う補正予算が13.9兆円と決まった。以前は2兆~4兆円程度だった補正予算は、新型コロナウイルス対応で急増した後、感染症収束後も元の水準に戻らない。海外の政府には平時に戻す動きがみられるものの、日本は財政規模を拡大し続けている。
- 米格付け大手ムーディーズによると、1990年代に最上位Aaaだった日本の国債(ソブリン)格付けは現在、上から5番目のA1で、主要7カ国(G7)の中でイタリアに次いで低い。日本の格付けは、多くの欧州諸国、アジアではシンガポールや香港、韓国を下回る。そしてエストニア、中国と肩を並べる水準である。
- A1への引き下げは10年前で、当時の債務残高のGDP(国内総生産)比率は230%強だった。同比率は2020年以降総じて250%を上回り、格付けがさらに引き下げられる懸念もゼロではない。
- 国債の格付けは国による元利返済の確実性、信用力を評価したもので、格付けが低いと支払金利が高くなる。25年度の一般会計予算(概算要求)の国債費は25%を占めているが、今後金利が上昇すれば、さらに増えるだろう。
- 一方、国債の格付けは企業にも大きな影響を与える。企業の信用格付けには、一般的に本社を置く国の国債格付けが上限(天井=シーリング)になるソブリンシーリングの考え方がある。
- 政府が財政危機に直面すると増税、外為規制などの政策を発動する可能性があり、企業活動が影響を受けるとされるためだ。実際に、多くの日本企業は業績や財務内容が良くても信用格付けがA1以下である。
- 政府が財政再建に取り組まず、国債の格付けが低下したことで、企業の競争力がそがれているとも言える。特に、資金コストが競争力に直結する金融機関への影響は大きい。
- 減税、補助金、給付金などの目先のメリットにばかり着目し、構造改革や財政再建を先送りするのは、将来にツケを回すことになるので避けなくてはならない。それに加えて、国債の格付けの低下が企業の競争力をそいでいることにも目を向ける必要がある。