AI、チャイナショック ディープシーク「開発費10分の1」 揺らぐ米国製優位
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250129&ng=DGKKZO86372740Z20C25A1EA2000
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【コメント】
- 突然のように非常にコスト優位性のある中国製AIが注目を集め始めました。
- 圧倒的に米国企業優位で市場を席巻していくであろうと見込んでいた投資家にとって不確実性が高まり、日米のAI関連株価が揺れています。
- 中国は米国の高性能AI半導体の輸出規制の状況下で、従来性能の半導体を使用し、GoogleやオープンAIの1/10未満の費用で同等の能力を持つAIシステムを開発したとのことです。
- このDeepSeekの基本的な仕組みが、今後加速度的に進化していくAI開発にどのような影響を与えるかは不透明ですが、DeepSeekのような先端的企業は、おそらく中華圏だけに留まっていることは想定し辛く、TikTokのように米国の規制により自由主義権に併合されていく可能性があるのかもしれないと思いますが如何でしょうか？
- 日本時間の一昨夜に大きく下げた米国のハイテク関連株は、昨夜戻しています。
【記事概要】
- 世界のテクノロジー業界や株式市場に「チャイナショック」が広がった。中国のスタートアップ、DeepSeek（ディープシーク）が公開した低コスト生成AIが発端だ。先端技術分野における米国の優位性など、これまで信じられてきた常識が覆る可能性がある。
- 生成AIの基盤となる大規模言語モデルのコストを試算している米スタンフォード大によると、米グーグルの一世代前のAI「Gemini（ジェミニ）ウルトラ」の開発には1億9100万ドル（約300億円）、米オープンAIの「GPT-4」は7800万ドルがかかったとされる。一方、2024年末から25年1月にかけて立て続けに低コスト生成AIを公開したディープシークは、一つのAIモデルの開発費用が約560万ドル（約8億6000万円）だったと説明している。同社の主張が事実であれば、単純計算では米テック企業の10分の1未満の費用で開発できたことになる。
- ディープシークのAIモデルは安いだけではない。様々な分野の質問に多言語で答える能力や、難易度の高い数学の問題を解く能力など約20項目について同社が性能比較したところ、過半の項目でオープンAIやアンソロピックなど米国勢の最先端モデルを上回ったという。
- ディープシークが公開済みのAIモデルに着目した背景には、ハイテク分野における米中対立がある。米国が発動した対中規制によって生成AIの開発に必要な米エヌビディアの最新半導体が入手できないという制約が、新たな発想にたどり着く原動力になったとの見方もある。ハイテク分野の覇権を争う中国から突如として有力AIスタートアップが登場したことは、これまでの米国の対中半導体規制が骨抜きになった可能性を示唆する。米国がオープンソースのAIモデルを規制する事態につながる恐れもある。