金メッキ時代の始まりか
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250209&ng=DGKKZO86627460Z00C25A2EA2000
トランプ氏に信頼高める行動促せ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250209&ng=DGKKZO86627210Z00C25A2EA1000
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250209&ng=DGKKZO86627460Z00C25A2EA2000
トランプ氏に信頼高める行動促せ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250209&ng=DGKKZO86627210Z00C25A2EA1000
【コメント】
- 今朝も、日米トップ会談の記事で満載ですが、その中に日経としてのコメント記事があったので紹介します。
- 一つの見解は、「金メッキはいつ剥がれるかわからない」という警告です。「日米関係の新たな黄金時代」との共同声明のキャッチフレーズを評したものです。総合的にはトップ同士と国家同士の友好関係を確認できましたが、今回の会談の論点である(1)USスチール買収(2)関税(3)1兆ドル投資については今後具体的な決定がなわれていくので、油断禁物ということだと思います。
- 二つ目の見解は「日本の役割への提言」です。トランプ氏は気候変動や公衆衛生といったグローバルな課題に関心がなく国際的な枠組みから脱退します。これらの地球上の課題をトランプ氏に説明し翻意させることができるのは日本だけであり日本の役割であるとの見解です。どこまでできるのかは未知数ですが、機会を見つけてはたらきかけることは有効かもしれません。ただ、そのことを取引の材料にされ日本に不利益を招くことはないよう注意しなければならないと思います。
【記事概要】
- 「首脳会談に失敗なし」という。共同声明で「日米関係の新たな黄金時代」をうたった石破茂首相とトランプ米大統領の初顔合わせも例に漏れず「成功」との受け止めが多い。だが、輝いてみえるのは表面だけ、と疑う冷めた目も必要だ。
- そもそも「成功」は「期待値の低さ」の裏返しでもある。「予測不可能なトランプ氏に対して現状を維持するだけでも『成功』といえる」と話す。
- 経済政策の面から進展によく目を凝らす必要があるのは(1)USスチール買収(2)関税(3)1兆ドル投資――の3つの論点だろう。なかでも「買収ではない投資」(首相)をめぐるUSスチールの問題は予断を許さない。「日本製鉄の出資が50%を超えて連結子会社になればトランプ氏もpurchaseでないとは言いにくい」(A&Oシャーマン日本代表の池田祐久氏)。USスチールの全株式を取得する日鉄の計画は修正を迫られることになる。
- 週明けにも詳細を公表するという「相互的関税」もくせ者だ。各国が米国製品に課しているのと同水準の関税を新たに掛けることが柱となる。日本も高関税の農業分野を中心に難しい国内調整を迫られる。
- 「対米投資1兆ドル」も今後の火種となる。
- 首脳会談について(1)抽象的な同盟関係を体現する象徴的機能(2)個人的な信頼関係の構築や交渉の実質的機能――という2つの機能があると指摘する。
- 本当の試練は2回目以降の会談にあるという。
- 「日本の対米投資1兆ドル」「米国の対日貿易赤字1000億ドルの削減」などの数値目標は、初会談ならば「成功」と見えなくもないが「今後は会談をするたびに検証を迫られる」(山口氏)。「金メッキ」がいつはがれるかはわからない。
- トランプ氏が背を向ける気候変動や公衆衛生といったグローバルな課題も含まれる。米国なくしてあり得ないこれらの問題の解決の必要性を説き、米国を国際協調につなぎ留めるのも日本の役割である。