予算修正協議、財政再建後回し 自民「今週が山場」 教育無償化・年収103万円の壁… 歳出115兆円、膨らむ恐れ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250212&ng=DGKKZO86662330S5A210C2PE8000
地方創生、甘い政策立案 26事業で予算の過半余る 成長力底上げできず
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250212&ng=DGKKZO86661650S5A210C2MM8000
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250212&ng=DGKKZO86662330S5A210C2PE8000
地方創生、甘い政策立案 26事業で予算の過半余る 成長力底上げできず
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250212&ng=DGKKZO86661650S5A210C2MM8000
【コメント】
- 今日から2025年度予算案審議が佳境をむかえるようです。日経朝刊二面には大きく報じられています。
- 維新は「高校無償化」、国民民主は「103万円の壁」、立民は「小中学校の給食無償化」、を要求しています。これらの政策は相応に大きな歳出を伴います。
- 一方で自民は「地方創生」交付金を倍増し目玉政策を推進したい考えです。ただ、同じ日経一面には、地方創生の政策立案が甘く、使い残しが多いことや効果の検証が不十分なことが報じられています。
- 1納税者から見ると、与野党ともに夏の参議院選挙をにらんだ人気取り政策ではなく、日本の未来ビジョンを掲げそれに向けた政策提言をしていることを納税者に明示して頂きたいと強く感じます。
【記事概要】
- 自民、公明両党と野党の2025年度予算案の修正協議が2月中旬から佳境に入る。野党が予算案への反映を求める政策は財源が明確でないものが目立つ。少数与党の石破政権は予算案の早期成立をめざし、修正ありきの姿勢で交渉に臨む。
- 予算案を確実に年度内で成立させるには3月2日までに衆院を通過する必要がある。与党側は予算案の修正作業に1~2週間かかると想定し、逆算すると「協議は今週が山場になる」(自民党幹部)とみる。
- 維新は25年度予算案に賛成する条件に、25年度からの所得制限なしの高校無償化を掲げる。私立を含めて授業料の支援金を年間63万円ほどまで増額する案で、全国で実施した場合におよそ6000億円の財源が必要になると試算する。自民党が維新に示したのは公立、私立を問わず年11万8800円を上限に給付する案で維新の要求と開きがある。
- 自民党は国民民主とも103万円の壁の引き上げ額を巡り落としどころを探る。政府は国民民主が訴える178万円案なら国・地方で計7兆~8兆円の税収減になると試算する。国民民主がめざす178万円と与党が示してきた123万円の妥協策として150万円台の案が浮上している。国民民主内には東京23区の単身者への生活保護支給額156万円などを例示する意見がある。公明党の岡本三成政調会長は7日、食料品の物価上昇率に合わせれば「140万円台後半くらいになる」と提起した。
- 予算案を成立させるには立憲民主党の理解を得る必要もある。いま衆院予算委の委員長は立民の安住淳氏が務める。同党は政府が基金を積み過ぎていると主張して歳出削減を求め、基金減額で浮いた部分を小中学校の給食費の無償化などの財源に回す案を掲げる。給食費はすでに困窮世帯向けに原則無償化され、3割ほどの自治体も独自に実現している。文部科学省は全国での給食費無償化に4800億円ほどかかると推計する。
- 25年度予算案の一般会計総額は過去最大の115兆5415億円を計上した。維新や国民民主の要求を受け入れれば歳出はさらに膨張する。
- 野党側には訴えた政策を実現して支持を広げ、夏の参院選での議席増につなげたい思惑がある。
- 安倍政権が2014年に始めた地方創生。初代の担当相だった石破茂首相は看板政策として再び力を注ごうとしている。25年度予算案は24年度当初比で倍増の2000億円の交付金を計上した。問題は政策を進めるエビデンスだ。過去10年、地方の人口減は歯止めがかからずにきた。この間の取り組みを分析すると、目標設定や成果検証の甘さが浮かんでくる。
- 肝心なのは、政策の作り方や進め方をどう改めるかだ。「地方創生2.0」と衣替えをしたところで、根拠の乏しい取り組みを目先を変えて続けるだけなら時間とお金の空費にしかならない。これまでの予算の使い道は適切だったのか。どんな効果があったのか。徹底した検証が要る。