首相は5時間超待機 国会、生産性の低さ浮き彫り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA21B2J0R20C25A2000000/
【コメント】
  • 今日は朝刊休刊日ですが、ずさんな国会運営の記事が電子版に掲載されていたので紹介します。
  • 予算審議が5時間を超え停滞し結局流会になったようです。原因は、政治資金問題を受けた自民党旧安倍派の松本淳一郎元事務局長の参考人招致。質疑の内容に待ったがかかったり、聴取の場所や日時を公表しないように要求があったことによるものだそうです。
  • これにより、石破首相は国会内で5時間待機することになり貴重な時間を空費しました。また、国会審議が滞ったことによる想定問答の変更を余儀なくされ、中央官庁の職員も無駄な時間を費やすことになったようです。
  • 民間企業にはなかなか見られないていたらくで、こんな事が起これば担当者は責任を問われます。
  • 国民の血税で国会を運営していることを再認識していただくためにも、国会議員にもコスト意識を徹底させるような信賞必罰の評価制度を取り入れ、議員報酬に反映させたり次回の選挙にハンデイをつけるなりの措置が必要と思われます。
【記事概要】
  • 政府・与党が年度内成立をめざす2025年度予算案の審議に関連し、国会の生産性の低さが露呈している。石破茂首相が5時間を超えて国会内で待機したり、予算案の修正協議が二転三転したりと予想外の事態が相次ぐ。有権者の政治不信を助長しかねない。
  • 象徴するのは19日の衆院予算委員会だ。政治資金問題を受けた自民党旧安倍派の松本淳一郎元事務局長の参考人招致を巡り、与野党の認識が食い違ったことが原因で同日の委員会が流会になった。
  • 予算委に出席するはずだった首相は参考人招致に関する与野党協議の行方を見守るため、5時間超を国会内で過ごした。予算委がいつ開会しても対応できるようにする国会の慣例があるためだ。他の執務にあてられたはずの時間を浪費した。
  • 参考人招致の段取りを与野党が詰め切れていなかったことに原因がある。安住淳予算委員長(立憲民主党)は松本氏側が聴取の場所や日時を公表しないように要求したことを明らかにした。
  • 事前に通告した質問内容について「ふさわしくない」などと制限するような要請があったとも話した。与野党から「国会対策を担当する与野党議員の双方に責任がある」との声があがる。
  • 予算案の修正に向けた動きもおぼつかない。首相は高校の授業料無償化をめざす日本維新の会の主張に配慮。維新の前原誠司共同代表に25年度からの無償化を先行実施すると表明した。これで交渉は決着するとの見方が与党内には出た。
  • 実際は想定が外れた。維新内での意見集約は紛糾し、高校無償化に加え、社会保険料引き下げも不可欠だとの声が出て合意は持ち越された。21日に与党と維新の政調会長間での合意にこぎつけたものの、維新内の意見集約の不安定さを印象づけた。
  • 自民党幹部は「ゴールポストが動いていくようだ」といらだちをみせる。
  • 国会審議が滞ると中央官庁の職員の働き方にも響く。ある経済官庁の幹部は「質疑日程が変わることで想定問答も作り替えないといけない」と話す。
  • 法政大の河野有理教授は「少数与党下の国会運営で調整する相手が増えており、協議の難易度が上がっている」との見方を示す。「外交・安全保障での緊張が高まっているなかでの国会のドタバタは政治不信を招く可能性がある」とも指摘する。