金ETF残高、1年で5割増 初の3000億ドル突破 安全資産の輝き増す
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20250226&ng=DGKKZO86959350V20C25A2ENG000
【コメント】
  • 金への投資が拡大しているようです。
  • 金の現物を裏付けとするETF資産残高が3000億ドルをこへ今後も資金流入が見込まれるようです。ここ1年で5割増加しているとのことです。
  • 金はなぜ資産として注目されるのでしょうか?
  • 理由の一つは、その希少性にあります。地球上の埋蔵量が限られており、採掘には膨大な時間や労力、コストがかかることにあります。
  • またやわらかく加工しやすい性質があり、宝飾品や美術品、工業用品、医療用品など幅広い用途で使用されています。
  • 古代エジプトの時代から装飾品として用いられており、古代ローマでは通貨、中世ヨーロッパでは聖杯や王冠などの宗教的な品々にも使用されるなど、歴史が長く信用力がある資源だということもあります。
  • 安全資産としても知られており、価値が下がることはあってもゼロになることはないため、株式や債券などの投資商品と比較して安心して購入でき、いつでも手放せることも資金流入の理由になっています。
  • では金価格の変動要因はなんでしょう?
  • 一つは、世界経済の動向やインフレ、地政学的なリスクに大きく影響される紛争やテロ、国同士の対立などによって先行きの不透明感が増すときには、安全資産である金の需要が増大する傾向にあるようです。またインフレ・デフレも金の価格に大きな影響を与えます。加えて各国の中央銀行の動向も金の価格に影響を与えます。
  • 現在徐々にドルの信任が低下してきており、中国や新興国が継続的に金を購入していることが堅調な金需要の下支えになっていると言えます。当然断定的なことは言えませんが、この傾向が継続する可能性もあるので、株や債券と共に分散投資の一つとして検討する価値はあるのかもしれません。(投資は自己責任で!)
【記事概要】
  • 歴史的高値が続く金(ゴールド)への資金流入が止まらない。金の現物を裏付けとする上場投資信託(ETF)の資産残高は初めて3000億ドル(約45兆円)を突破した。トランプ米政権の政策リスクなど買い材料が増えているほか、高値を受けて資産としての認知度の高まりも資金流入を促している。
  • 国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、現物の金を裏付けとする金ETFの運用資産総額は7日時点で3020億ドルと、週次で初めて3000億ドルを突破した。21日時点も3141億ドル(3326トン)と、2024年3月初めと比べて1075億ドルも増えており、1年弱で5割膨らんでいる
  • 金ETFは03年以降、オーストラリアや米国などで相次ぎ上場し、価格への影響力を強めた。現物保管の手間が省けたことで年金基金による長期保有や個人のオルタナティブ投資などが広がっている。
  • 金全体の市場規模も拡大している。これまで採掘されて地金や宝飾品などの形で世に出回る「地上在庫」は24年末時点で21.6万トンと増加が続く。年末時点のロンドン金現物価格と地上在庫を乗じた「金の時価総額」は18.1兆ドルと、過去5年で2倍近くになった。ETFや地金・コイン向けが22%と、宝飾品(45%)の次に多い。
  • 個人にも投資の裾野が大きく広がっている。ETFや先物、相対取引など金市場全体の1日平均取引量は24年、約2271億ドルと前年比4割弱も伸びた。米国債(1797億ドル)など主要金融資産を上回った。
  • マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は「金は流動性や換金性が高まっており、ヘッジ手段としての価値や資産の認知度が一段と上がっている」と話す。
  • 今後も高値の金への資金流入が続くとの見方が優勢だ。WGCによれば24年の中央銀行の金購入は過去最高水準が続き、投資需要も4年ぶり高水準と、根強い需要が相場を下支えしている。
  • マーケットエッジの小菅努代表は「中東やウクライナなどの地政学リスクが後退した局面でも相場がほとんど反応していない。市場の関心はトランプ米大統領の政策リスクに移っており、不透明感による買いが続く」と指摘する。